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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 3
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もに海水を真水に変えて水を確保。
一粒の種子から無数の苗や実を作り、開墾された田畑に植える。
治癒符や霊水を大量に作って傷病者を治す。
衛生面と疲労回復のために大衆浴場も造った。大きな浴槽に満々と水を張り、そこに熱した銅像を入れると水はたちまち温湯と化して白い湯気がもうもうと立ちこめる。そこに
川?
(
センキュウ
)
や当帰といった生薬を粉にして入れた特製の薬湯だ。
霊災修祓以外の場面での呪術の使用が制限された現実世界ではできない、呪術を使った様々なおこないは宋の人々を大いに助け、よろこばせた。
呪術はこんなにも便利で役に立ち、人々の生活を豊かにするのだ。
そのことを身をもって実感すると同時に、改正の動きがあるとはいえいまだに陰陽法に縛られて自由に呪術を使えない現実世界への不満を改めて感じた。
そのような不満があるからこそ、ことさらはりきって呪術を行使して人助けをしているのかもしれない。
さて、秋芳と京子が急にこのようなことをしだしたのはなぜか?
星読みの託宣という形で夢の世界からの脱出方法を聞いた二人は内容をよく吟味した。
『ステージ1。勝利条件・滅亡の危機に瀕する宋王朝を救い、迫りくる元の軍勢を退ける。敗北条件・宋の皇帝趙?の死亡、秋芳の死亡、京子の死亡』
宋に代わって元を滅ぼせとも、フビライを殺せとも言ってはいない。皇帝を守り、宋を救え。かなり受動的な内容だ。
こちらから攻撃をしかけたりするのは避けたほうが良いのではないか?
それならばとりあえずは疲労と食糧難にあえぐ宋の人たちを積極的に助け、彼らが元に抵抗する体力をつけさせようとしたのだ。
皇帝趙?の前で楽しげに呪術を披露して見せたのは自由な裁量をもらうためのデモンストレーション。さらに護衛に式神をつけさせるにあたって、忌避されないようお近づきのしるしをこめたのだ。
そう、秋芳と京子は趙?の護衛を申し出たのだ。なにせ敗北条件とやらに趙?の死亡というのがふくまれている。この世界から抜け出すには勝利条件をみたさなければならず、敗北条件というのに抵触した場合、どんなペナルティが課せられるのか想像がつかない以上、避けるべきだろう。
元の側にも呪術者がいる以上、呪殺をしかけてくる可能性がある。剣や槍ならともかく、呪術が相手となると腕の立つ者でも守りきるのは困難だと、趙?と陸丞相に伝え、納得してもらった。
あちこちで人助けをしてまわった秋芳と京子は高台の上でひと息入れることにした。持参した茶を飲み、
酥餅
(
スーピン
)
という焼き菓子をかじる。唐の時代までは皇帝や貴族階級しか口にできなかった お茶も、宋代までくると庶民でも気軽に飲めるくらい浸透していた。
物資の乏しい防衛戦のさなかに茶と菓子を得ることができたのは秋芳たちのおこない
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