第9話 改訂版(2018/11/07)
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…自己紹介も終えた所で単刀直入にお尋ねします。トレイニー様は本日、どの様なご用向きでこの里にお越しになられたのでしょうか?」
「魔物を総べる者――リムル=テンペスト。そして、安寧秩序を為す者――大筒木朱菜。あなた方に豚頭帝の討伐を依頼する為、本日は罷り越しました」
……このお姉ちゃん、笑顔で何言ってんの?
「お、俺と朱菜に豚頭帝の討伐依頼、ですか?」
「ええ、そうです。リムル=テンペスト様」
どうやら、俺の聞き間違いではない様だ。ってか、このお姉ちゃんにっこり笑顔で言い切ってきやがった。
「いきなり現れたかと思えば随分と身勝手な物言いだな、樹妖精。何故、この里に来た?今でこそ、里の住人は全員が大鬼族以上の魔物に進化しているが、つい先日まで大半が人鬼族だった。このジュラの大森林には人鬼族より有力な種族はいるだろう?」
「確かに、あなた方――元大鬼族の里が健在であれば、そちらに出向いていたことでしょう」
「……つまり、私達がこの地に移ったからトレイニー様もこの地にお越しになられたということですか?」
「そうでもあり、そうでもないと答えるのが正解です。元大鬼族の里が健在であっても、リムル様の存在は無視できなかったのでこの地には訪ねていたことでしょう。
豚頭帝と豚頭族の軍勢の襲撃を受ければ樹妖精だけでは抵抗もできず、樹人族の集落は滅ぼされるでしょう。ですから、こうして強き者に助力を願いに来たのです」
「俺達にとって豚頭帝が存在すること自体、まだ仮定でしかないんだが?」
「樹妖精はジュラの大森林で起こったことの殆ど把握しております。あなた方の予想通り、豚頭帝は存在していますよ?」
トレイニーさんが茶請けのうす塩風ポテチを食べながらそう言うと、現大鬼族組であるリグルド達がざわついた。ってか、トレイニーさん。緊急事態の割には落ち着き過ぎじゃないですかね?ポテチ喰いながら、「まぁ、美味しい」とか言ってる場合ですか?
「……えっと、トレイニーさん。取り敢えず、返事は保留にさせて貰っていいか?一応、俺はこの里の長だからな。里の者の安全を最優先に考えないといけないし、元大鬼族である鬼達と共に戦う気はあるが、率先して藪を突く気はないんだ」
「……承知しました」
俺が里長としての意見をはっきりと告げると、トレイニーさんは微笑を浮かべたまま返答してくれた。どうやら機嫌を損ねることは無かった様だ。そして、トレイニーさんの為の椅子と茶を用意し終えた
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