第二章 戦王の使者
戦王の使者U
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でいつものギターケースに雪霞狼を収納し、再度ため息をついた。
「そのー、本当に大丈夫か?」
「一応・・・目は覚めた。おお痛え・・・」
本気で申し訳なさそうな目をして尋ねてきた古城に不安な一言を返しながらアインは自分でばら撒いた刃物を拡張領域に仕舞った。
「雪菜、その男が前言ってたキーストーンゲートを破壊した奴?」
「いえ、この人はアルディギアの鍛治術師のアイン・フィリーリアスさんです。一部性格的に問題がありますが基本的に悪い人ではない・・・はずです」
「おいちょっと待てなんだその評価は」
「ちょっと!私の雪菜に近づかないでくれる?このケダモノ!」
「ケダッ…??ほう、やる気か、長身?いいだろう、俺は寛容だから本気で相手してやるぞ」
こめかみに筋を浮かべながら拡張領域から両手剣を出して突撃の構えを取る。
「そっちが本気で来るなら私もそれなりの力で応じるけど?」
そう言って紗矢華が構えたのは紗矢華が獅子王機関から貸し与えられた六式降魔弓・改。2人の間の空気がピリピリと張り詰め、今にも暴発しそうになった時、パンパンと手を叩いてヴァトラーが声をあげた。
「はいはい、2人ともそこまで。二人が戦うのは面白そうだけど一応ここ僕の船だから。紗矢華、君に至っては僕の護衛って事でここにいるんだろう?アインもアインで本気で暴れたらこんな鉄と木の塊なんて一種で塵にする事ぐらい簡単だろうし」
「う・・・すみませんでした」
「ちっ・・・しゃーねぇ」
二人は武器を収め、戦闘態勢を解いた。そしてこの後は特に大きな騒動もなくパーティーは無事終了を迎えた。
翌日 IS学園
「(あー眠い。眠いの一言しか出ない。ヴァトラーの野郎ただでさえギチギチなスケジュールをさらに詰めてくれやがって・・・。しょうがない、今日の授業は寝るか)」
朝、HR中からすでに眠いアインは担任である千冬の連絡を一応聞きながらその日一日の過ごし方を考えていた。もう既に今日何度目か数えるのも忘れたほどの回数の欠伸をした、その時だった。突如前の席の生徒が立ち上がってこちらを向いた。突き出す両手の先には、拳銃。疲れもあり完全に気を抜いていたアインは反応が遅れ、生徒が引き金を引くのを阻止できなかった。顔の目の前で発射された弾を避ける術は流石の竜人と言えどもアインにはなく、その凶弾を顔面にモロに受けることになった。カラン、と薬莢が床に落ちる音がして、クラス中が固まった。唯一、撃った生徒だけは顔を青ざめさせながら肩で息をしている。アインの体は背もたれに寄りかかりながら仰け反るようにして微動だにせず、腕も宙に揺れているため誰もが死んだと思った時だった。アインの体が突然、ばねが跳ねるような速度で起き上がり、生徒の持っていた拳銃をいつ
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