アクシデント
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心配してネクストのことりとベンチから穂乃果が飛び出そうとするが、海未がそれを制し一塁へと歩いていく。
(エルボーガードしてたけど、肩とはな・・・普通は大丈夫だけど・・・)
硬球が当たるとかなり痛いが時間が経てば痛みは取れる。剛も当てられたことは何度かあるがそこまで気にすることもなかった。しかし、なぜか嫌な予感がしてならない。
カキーンッ
ノーアウト満塁になると続くことりがカットで逃げ、真ん中に来た甘いボールをライトまで運ぶ。飛距離は十分、タッチアップで三走のにこが楽々生還。希もタッチアップしようとしたが、飛距離が微妙だったこともあり自重する。
続く花陽、穂乃果が凡退しこの回は1点で攻撃が終了。4対1となる。
その後の7回裏の守備。マウンドには引き続き海未が登ったが、投球練習の初球で異常は起きた。
「うっ!!」
穂乃果で攻撃を終えたため防具を着けているミカが受けようとしたのだが、海未は投げる直前でボールを落とし肩を押さえる。
「海未!!」
予想だにしないアクシデントに思わずベンチを飛び出しそうになったが、高校野球の監督はベンチから出ることができないため審判に制止され、選手たちを向かわせる。しばらくするとレガースだけを着けて海未の元に向かった穂乃果が血相を変えて戻ってきた。
「さっきのデッドボールか?」
「だと思います。痛みで肩が上がらないらしくて」
数ヵ月前まで普通の女子高生だった音ノ木坂学院野球部は皆線が細い。体力的にパンクされると困るため必要最低限のトレーニングしか積ませていなかったこともあり体を守る筋肉が不足し、デッドボールが直接肩に影響を与えたのかもしれない。
「交代しますか?」
「そうしたいのは山々なんですが・・・」
ベンチには登録しているものの練習をしていないためヒフミトリオを出すわけにはいかない。しかしそれだと選手が9人しかいないため、試合を棄権せざるを得なくなる。
「花陽!!行けるか!?」
「は!!はい!!大丈夫です!!」
本当は休ませたかったがここをどうにかできるのは花陽しかいない。剛はライトとピッチャーが入れ替わる旨を伝えると、2人は新たなポジションへと散っていく。
「あら、また小泉さんが投げるの?」
「さっきのデッドボールで園田さんは負傷か?」
UTXナインは再度花陽がマウンドに上がったことでデータ班が慌ただしく動き出す。決勝まで上がってくれば彼女が投げることは目に見えているため、よりデータを取っておきたいのである。
「これはもう終わったわね、音ノ木坂も」
その中で一際冷めた目で試合を見ていたのはエースのツバサ。確かに試合の中で再登板するのは難しいところもあるが、それだけで試合が決まるはずもない。そのことを伝えると、
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