暁 〜小説投稿サイト〜
ナニイロセカイ
*空気の世界
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ぱり!」

どんなー? どんなー?見せてー! 見せてー!
教室にいる珍獣たちがざわめきだしました。動物園でパンダの赤ちゃんが生まれて、それを我先に見ようとする薄汚い人間たちを見ているよう。

――あぁ うるさい うるさい人達です。

こんな騒がしい世界なんて一秒たりともいたくない。
わたしは椅子に座り直して、また机の上に俯せ瞼を閉じて、またわたしだけの静寂の世界へと逃げ出しました。

「恥ずかしがり屋さんなのかな〜?」

「あはは」

外の世界からわたしをからかう声 嗤い声 嫌な視線を感じる。

聞こえない。

聞こえない。

わたしの世界にはそんなもの存在しない。

なにもない わたしの世界には なにもない。

世界とってわたしは空気のような存在なんだから――
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