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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 3
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〜、こんなことだったらやつらの記憶いじっとくんだったぜ……)
「あ〜あ、楽しみにしてたのにさぁ。あーあ、つまんない、つまんない。あー、がっかり、がっかり」
ぶつぶつグチグチと青年の愚痴がしつこく続く。
「だいたい伶路は伶路のくせに生意気っていうか――」
そのうち文句を言うこと自体が楽しくなってきたのか、やれ伶路は愛想がないだの、やれ伶路は口が悪いだのと、鏡批判に展開しだした。
「伶路はほんとチンピラって感じの声してるよね、チンピラ役オリンピックがあったら金メダルまちがいなしだよ。悪役商会にでも入って……」
「おい、シェイバ」
それは刀袋に納められた刀『髭切』と同じ意味を持つ名前、シェイバ。それが青年の名だ。唐突に名を呼ばれシェイバはあわてて足を止めた。その瞬間、鏡の振り向きざまの裏拳が顔面にめり込んだ。
「ぷぎゃぁっ」
ジャブ、フック、ストレート、アッパー……。ごついリングを指にいくつもはめている、メリケンサック装備状態にひとしいことを意識しての手技の乱打。
通行人たちは突如始まった『まよチキ!』ばりの理不尽暴力に唖然とするが、その中のだれ一人として拳があたった瞬間にシェイバの身体の輪郭がぶれ、ノイズが走ったことに気づく者はいなかった。
そう、この細身の青年は人ではない。その正体は抱えている刀袋の中身、髭切という名の日本刀を形代にした式神だった。
「うるさい、黙れ。殴るぞ」
「な、殴ってから言わないでよ」
内心に不満をかかえつつ、沈黙を強いられ陰陽庁の間近まで無言だったシェイバが声をあげた。
「ねぇ、伶路。今日ってここでなにかやってるの?」
瞳を輝かせて呪道館を指差し、問いかける様は子どもが目新しいオモチャを店頭で見つけた時のようだ。
呪道館の結界は完璧だ。外からの呪力を防ぎ、内からの呪力を外に漏らすことなどない。
だがべつに穏形の結界が張られているわけではないので、中にいる人々の気自体は外にまで感じられた。シェイバの見鬼は呪道館からあふれる人々の気を群気≠視た。
今日の気は闘争の質を帯びていた。それも武と呪の両方の気が満ちており、刀という武器の式神であるシェイバが興味を持つのは当然と言えば当然だった。
「ねぇ、伶路。見に行っちゃダメかな? かな?」
「…………」
わざわざ保管室まで足を運ぶのもめんどうだ、手続きをすましたらそのまま帰路につきたい。
ここはもう陰陽庁の敷地内のようなもの。『シェイバなら呪道館にいる、勝手にしまえ』これですむ。
「ああ、いいぜ。俺は顔出ししてくるから、好きにしてな」
「わ〜い☆」
弾むような足取りで呪道館に入って行くシェイバ。鏡がその姿を追ってふと入口を見れば『陰陽塾巫女科 第○○回刀会』の文字が目
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