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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 3
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するのかしら。一の瀬朱音? それとも梅桃桃矢? なんなら例の能力を使って二人同時に相手してあげてもいいわよ。そっちのほうが手っとり早くていいわ」
「うう、あんなこと言ってる。でも琥珀ちゃん強いよ〜、私じゃ無理。桃矢くんお願い!」
「ええ、お願いしますわ桃矢さん」
「……桃矢、もう望みはおまえだけだ。頼む、勝ってくれ!」

 朱音、珊瑚、紅葉。三人の仲間が自分に期待をかけてくれる。
桃矢の心に闘志がわいてきた。どのような状況であれ女の子から頼りにされるというのは男の子にとってこそばゆくも嬉しい。いやでも奮起せずにはいられなくなるものだからだ。

「はい、いってきます!」

 薙刀を手に舞台に進む。その姿には以前の桃矢にはまったくといって言いほどなかった自信と闘気がみなぎっていた。

「男塾先輩、桃矢は勝てるのでしょうか?」
「へのつっぱりはいらんですよ」
「まぁ! 言葉の意味はわかりませんが、とにかくすごい自信ですわ!」
「梅桃桃矢。彼もまた基礎ができている、それにくわえてここ最近はさらに特訓を重ねていたんじゃないか?」
「はい、たしかに彼は賀茂先生……、講師の人につきっきりで訓練をしていました」
「だろうな、まとった気でわかる」

 桃矢と琥珀は舞台の上で対峙した。

「あら、いいの? 例の同調性ナンチャラっての使わなくても? 朱音じゃ私を倒せない。あんたが負けたら詰みよ」
「それは、僕の実力を認めてくれてるんですね?」
「かんちがいしないでちょうだい。朱音よりかはあんたのほうが上、ただそれだけの話よ。賀茂先生になにか教えを受けていたみたいだけど、つけ焼き刃の生兵法なんて四王天の武にも呪にもおよばないわ」

 緋組と白組、三戦目が始まった。





 山手線外回りの電車内は学生や主婦、外回りのサラリーマンらの姿がちらほらと見受けられた。
 座席に座った母親の膝で居眠りしていた幼児が突然目をさまし、最後尾のドアを指差す。

「ママ、あそこのワンワンこわいよ……」

 母親は指差した場所を見るが、犬の姿などない。怪訝そうに首をかしげる。

「どこにワンワンがいるの?」
「こっちにらんでる! こわいよ! こわいよっ!」

 母親にしがみついて火のついたように泣きだした。車内の乗客の視線はいっせいに親子に突き刺さる。
 いたたまれなくなった母親は子どもを抱き上げて次の駅で降りた。

「うるさいガキだったな」
「アタシ、年よりとオヤジとオバンとガキって大っきらい」
「ほんとそう、ガキがかわいいと思えるのはガキの親だけだっつうの。自分のガキでもないのにかわいいとか思えるやつって信じらんない」

 学生らが手前勝手なことを言い合っていると、低いうなり声が聞こえた。耳の底をかき
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