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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 3
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の身体がびりびりと乱れ、輪郭がゆがんでぶれ、身体の裏側が透き通るように明滅する。
 ラグだ。
 出血のかわりにラグが走り、弾けるように像を乱して消えた。今にも二つに切れそうな一枚の式符だけが残る。

(し、式神?)

 突然の襲撃、死の恐怖、身を挺してかばった男塾先輩、その男塾先輩はだれかの式神だった――。
 わずかなあいだにおこったできごとを理解し、処理するのに脳が追いつかない。茫然とする桃矢の前でシェイバが地に落ちた式符を髭切の先に突き刺して、桃矢の眼前にかざす。

「これって君の式神? よくできてたね。……ねぇねぇ、もっと強いのある? あるなら出してよ。なんて聞いちゃったりなんかして、このこの〜、ちょんちょん」

 白痴のような笑みを浮かべて切っ先に刺さった式符をひらひらと揺らしている。桃矢にはそれがひどく冒涜的でゆるしがたい光景に思えた。

「ふざけるなぁっ!」

 怒りが、恐怖を駆逐した。
 バネが弾けるようにはね起きると同時にシェイバの側面に入り身し、手首を両手ではさむようにつかみと同時に身体をひねり、腕ごとねじり倒した。
 手首を極められ、シェイバの手から髭切が落ちる。桃矢はそのままとどめの当て身を入れようとしたが、そこにシェイバの姿はなかった。

「!?」

 桃矢は知らないことだがシェイバは刀の式神、付喪神であり、その形代は刀そのもの。実体化を解いたのだ。

「あっはははは! 残念賞〜。僕はここだよ知らぬが仏、知ってキリスト、斬り捨て御免! ラーメン、タンメン、僕イケメン!」

 そして桃矢の背後であらためて実体化したシェイバが手にした髭切を振りかぶる。

(やられる!)

 日本刀が描く斬撃の軌道が読めた。
 だが身体の反応が間に合わない。肉薄する白刃、肌をなぶるシェイバの霊気。二度目の死を覚悟したとき、シェイバの横っ面と胴に薙刀による一撃と火の矢が命中し、その動きを止めた。

「図に乗るな!」
「桃矢さんから離れなさい!」

 紅葉と珊瑚だ。

「「「緤べて緤べよ、ひっしと緤べよ、不動明王の正末の本誓願をもってし、この邪霊悪霊を搦めとれとの大誓願なり! オン・ビシビシ・カラカラ・シバリ・ソワカ!」」」

 琥珀を筆頭に白亜と眞白ら白組壱番隊の三人の詠唱が重なる。不動金縛りの術の呪力が一つにまとまり、強力な呪縛がシェイバを拘束する。

「桃矢君っ」

 朱音が投げ渡した薙刀をつかみ取った桃矢はあわてて距離をとる。

「た〜らら〜♪」
 小枝のように刀身を振るい、鋼の刃が銀光を閃かせると、全身を縛る呪力の縄がバラバラに切り裂かれ消滅した。

「か、刀で呪力を斬るだなんて!?」

 物理的な方法で強引に返された呪の反動を受けて琥珀が悲鳴をあげる
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