暁 ~小説投稿サイト~
東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 3
[12/20]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
だあの琥珀の動きは!?」
「まるで鏡にでも映っているように桃矢さんと寸分のちがいもない動きですわ!」
「ぬぅ、まさかあれは世に聞く
千日?鏡
(
せんにちほうきょう
)
では……」
「知っているの、男塾先輩!?」
「ああ、あの技は――」
将棋の世界には禁じ手とされているが模写矢倉という戦法がある。これは相手と全く同じ駒の手順で指していき、最後には相手の王を詰めてしまうというものだ。
これを武術に応用したのが千日?鏡であり、相手と同じ武器を使い攻撃を完璧に模倣することで焦燥感をつのらせ、その隙を狙うというものだ。
この技の要諦は集中力と反射神経を極限までとぎすまして相手の動作を寸分たがわず 一瞬にして模倣することにある。
弱点は相手と同じ武器を持たなければ成立しないこと。
なおこの修業方法は数多くあるが、代表的なものは雨の降る軒下で禅を組み、反射神経で無意識のうちに水滴をかわすことができるようになるまで禅を組むというものである。『人のふり見て我がふり直せ』という言葉はこの修業訓のなごりだとされる。
民明書房刊『中国の奇拳――その起源と発達――』より。
「し、信じられない。そんな技が存在するだなんて……」
「中国五千年の武の歴史には信じられない奇拳珍拳が存在する。酔拳なんてのは序の口で、両足の不自由な人を両腕の不自由な人が肩車して戦う二人一組の肩車拳法なんてのもある」
「う~ん、でも中国五千年てちょっと盛りすぎじゃない?」
「堯や舜といった三皇五帝の時代も勘定にふくめばそのくらいになるさ。日本だって神武天皇から数えて皇紀二千六百うん年とか言ってるし、気にしない気にしない」
歴史が長ければ偉大な文化文明というわけでもない。大切なのは今、そしてこれからだろうに、日本も中国も過去を水増しして、なんとも子どもっぽいことである。
(同じ武器じゃないと真似できないなら!)
薙刀を手放した桃矢が琥珀に突進。たしかにこれなら模倣はできない。しかし。
「素手で薙刀の間合いに対抗できるつもり!」
長柄の武器と素手では間合いに差がありすぎる、突きや蹴りがとどく前に琥珀の攻撃を受けることになるだろう。事実、琥珀の薙刀が桃矢の肩口を狙って振り下ろさせる。
パァァァンッ!
乾いた音が響き、桃矢の手にした薙刀がそれを打ち上げた。わずか一瞬だが琥珀の両手が浮いて胴ががら空きになる。そのすきを見逃す手はない。返す刀で無防備な胴に一撃をくわえた直後、桃矢の手にした薙刀が一枚の式符にもどる。
「ぐっ」
たおれるようにうずくまる琥珀。
「一本!」
桃矢の胴打ちは腋の下に入った。腋の下は人体急所の一つ、受けた衝撃が肺まで伝わり呼吸困難になった琥珀に戦闘
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 ~小説投稿サイト~
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ