暁 〜小説投稿サイト〜
東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 3
[11/20]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
るようだ。目にも止まらない琥珀の連続攻撃をすべてよけるだなんて、どうしてそんなことが可能なんだっ!?」
「うむ、あれが彼の持つ同調性共鳴症(シンクロニシティ)のもう一つの力だ」
「なにか知っているんですか、男塾先輩!?」「あれがわかるんですか、男塾先輩!?」「なにか知ってるの? 男塾先輩?」
「霊力を同調することで対象と一体化する同調性共鳴症。その応用で相手の気を読みとり、自身の気と合わせることで筋肉の動きの細部まで体感する。そして筋肉の動きをさらに深く掘り下げ相手を感じとる。筋肉の緊張と弛緩、呼吸のリズム、感情の流れ。それらを見極めて思考と動きを予測する。一種の先読みだ」
「「「「な、なんだってー!?」」」」

 この説明にまたもや周りの観戦者達もびっくり。

「この先読みの術、同調性共鳴症・意脈合気とでも名づけようか」
「ま、まさか。それが本当ならそれはもう武術なんてものじゃない、まるで――」
「呪術か? だが武術とはもっとも実践的な呪術・魔術であり、人の知恵と技術の結晶という意味で両者は同じものなんだ」
(そうです、お…、男塾先輩。だけどその予測をもっと速く、琥珀ちゃんが動くよりもさらに速く!)
「なるほどね、とんだ裏技もあったものだわ。でも相手の気の流れを読むのが第一条件なら穏形した相手には効かないわよね?」
「隠形したまま戦えますか?」
「……無理ね。少なくとも今の私の実力じゃあ」
 
 隠形をかけながら激しい動作をする、あるいは他の呪術を行使することはむずかしい。プロの陰陽師でも簡単にはできないことだ。そもそもプロを目指すだけなら穏形したまま激しく動いたり他の呪術を同時におこなう技術を磨く必要はない。
 そんな技術が必要とされるのは陰陽術を戦闘にもちいる者だけだ。
 神道を汚す敵と戦う責務を持つ巫女には必要な技術だが、さしもの琥珀もそこまでの域にまでは達していない。それゆえによけいに焦燥する。
 どうする?
 どうする四王天琥珀?
 琥珀の動きがぴたりと止まった。

「!?」

 桃矢の動きも止まる。
 両者のにらみ合いが続く。
 桃矢の先読みは攻撃直後のリアクションまで正確に読めるわけではない、受けに徹する相手には効果が薄い。数十合におよぶ打ち合いでそのように実感した琥珀は、後の先狙いに戦闘スタイルを切り替えたのだ。

(純粋な技術勝負だって、僕は負けない!)

 八双に構え、攻撃しようとした矢先、琥珀もまた桃矢と同じ構えをとった。

(え?)

 攻撃にそなえ下段に構え直す。すると琥珀もまた下段の構えをとる。
 脇構えからの素早い胴打ちに対し、脇構えからの素早い胴打ちが。中段からの打突に対しては中段からの打突が正確に返され、薙刀同士がぶつかる乾いた音が響く。

「なん
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ