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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 2
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動的霊災は式神。そうでないものは霊災。そのように分類されていると考えてもおかしくはない。
だがそれにはまず周囲に無差別に瘴気をまき散らさぬよう霊気を安定化する必要がある。
動的霊災に明確な自意識や知性が存在するのなら、説得や脅迫により本人の意志で静まることも可能だが、今回のような生まれたばかりの霊災は本能のまま行動したり強迫観念に縛られたりして、それに応じない可能性が高い。
これは暴れ回る獣を傷つけずに生け捕りにするようなもので、たんに修祓するよりもはるかにむずかしいことであり、三人の巫女の中でもっとも優秀な琥珀でも無理だった。
そして次は維持の問題だ。このような使役式は従えることがむずかしく、意のままに制御するには技術面や霊力面など、術師に高い能力が求められる。
これもまた今の巫女達にできることではない。
はっきり言って周一の要望には応えられない。応えたくても無理なお願いというものだ。
「それはできないわ」
「……できるかもしれない」
断言する琥珀と逡巡する紅葉。
「周一さん。あなたがそいつに情けをかけること、それ自体があなたに迷いがある証左よ。あなたはまだそいつに憑かれてる。さがってて」
「そんな……」
周一はその言葉を聞いて、人形をかばうように思わず琥珀の前に立ち塞がった。
「周チャン……」
「どいて、ケガをするわ。あなたさっきそいつに刺されそうになったのを忘れたの? お母さんはあなたをかばってケガをしたのよ!」
琥珀は生き人形をこの手で修祓せんと呪力を練る。
「まて、琥珀」
「なぁに? まさかあなたまでこの人形を助けようだなんて言うつもり?」
「そうだ。さっきの周一さんの言葉だが、そのとおりだと思う。人間のエゴから生み出したものを人間のエゴで殺すというのは、あまりにも勝手だ。勝手すぎる」
「殺すんじゃない、修祓するのよ」
「消してしまうのだろう、同じことだ。どうだろうか、依頼主の要望を聞いてこの一件は陰陽塾か陰陽庁に報告して、修祓ではなく調伏してくれるよう頼んでみては……」
「もみもみ、あなたバカ? 依頼主はこの人じゃなくてこの人のお母さん。そして依頼内容は『息子にとりついた悪霊を祓ってくれ』霊災の修祓が私達の任務なのよ、忘れたの?」
「それにそれですと案件放棄になってしまいます。はえある白巫女壱番隊の名に泥を塗ることになりますよ、紅葉さん」
「…………」
「歪んだ想いが性欲の処理のために作られた道具にやどって魔物と化した。穢れ以外のなんでもないわ。そいつは神道を汚す敵なの」
「悪しきものを慰撫し鎮魂するのも私達巫女の責務じゃないか。力づくで修祓するばかりがやり方じゃない!」
意見が割れた。
紅葉と琥珀。双方がともに正しいと思う主張をし、
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