~prelude~
~Secret−Hysteria savant Sindroam of the certain friend~
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−アリアの胸に抱かれるようになりながら、 俺は……
『あの感覚』を感じていた。
体の芯が熱く、硬く、むくむくと大きくなっていくような−言いようのない感覚。
ドクン、ドクン−!
火傷しそうに熱くなった血液が、体の中央に集まっていく。 なってしまう。 なっていく。
−ああ。 なってしまった。 ヒステリアモード、に……!
ズガガガッ!ガキンッ!
弾切れの音を派手に上げたアリアが、身をかがめて拳銃に弾倉を差し替える。
「−やったか」
「射程圏外に追い払っただけよ。ヤツら、並木の向こうに隠れたけど……きっとすぐまた出てくるわ」
「強い子だ。それでも上出来だよ」
「........は?」
いきなり口調がクールになった俺に、アリアが眉を寄せる。 ああ、やっちまうのか−また。
その逡巡は、ほんの一瞬で。
俺はアリアの細い足と、すっぽり腕に収まってしまう小柄な背中に手を回し、すっくと立ち上がってしまっていた。
「きゃっ!?」
「ご褒美に、ちょっとの間だけ−お姫様にしてあげよう」
いきなりお姫様抱っこされたアリアが、ぼんっ。
ネコっぽい犬歯の口を驚きに開いて、真っ赤になった。
俺はアリアを抱いたまま跳び箱の縁に足をかけ、バッ、
と倉庫の端まで一足で飛ぶ。そして、積み上げられたマットの上に........ちょこん。
「な、なな、なに…!?」
さっきまでの俺とは一変してしまった俊敏な動きにアリアは目をぱちぱちさせている。
「姫はそのお席でごゆっくり、な。銃なんかを振り回すのは俺だけでいいだろう?」
ああ、俺よ。もう、自分を止められないらしいな。
「あ........アンタ........どうしたのよ!?おかしくなっちゃったの!?」
慌てまくったアニメ声に被せるようにして−
ズガガガガガガンッ!
再び、UZIが体育倉庫に銃弾を浴びせてきた。だが壁は防弾壁だし、ここはヤツらから見て死角になっている。
撃つだけ弾の無駄だ。
そして........ヤツらの射撃線が交錯する、ドアの方へと歩いていった。
「あ、危ない!撃たれるわ!」
「アリアが撃たれるよりずっといいさ」
「だ、だ、だから!さっきからなに急にキャラ変えてるの!何をするの!」
「アリアを、守る」
マットシルバーのベレッタM92Fを抜いて、ドアの外に身を晒した。
グラウンドに並んだ7台のセグウェイが、一斉にUZIを撃ってくる。
その弾は−全て、当たらない。当たるわけがない。視えるからだ。
今俺の目には、銃弾がまるでスローモーションのように、全部視えてしまうのだ。
いい狙いだ。全て、俺の頭部に照準を合わせてる
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