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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン83 鉄砲水と決別の歯車
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な』
「そうは言うけどさあ……」
『ああ、そうなると気になるのは発動タイミングだな。なぜ最初の攻撃だけはわざわざ通したんだ?』

 現実問題としてクロノス先生の場には3体ものモンスターが揃い、手札も先ほどのサーチのおかげでまだまだ潤沢にある。鬼が出るか蛇が出るか、どちらにせよより一層気を引き締めていこう。

「私のターン。速攻魔法、リロードを発動。手札全てをデッキに戻し、その枚数だけドローできるノーネ。そして2体のモンスターをリリースして、アドバンス召喚!出でよ、古代の機械巨人−アルティメット・パウンド!」

 1瞬召喚して即攻撃宣言でもしたのかと思ったが、どうもそういう訳ではないようだ。何気にあの人が最初から自分1人で始めたデュエルでは初めてかもしれない、リリース軽減やトークン召喚などの小細工なしに見るアドバンス召喚により呼び出されたその姿は、特徴的な左腕の爪といいそのモノアイといいまさに先生のエース、古代の機械巨人。
 だが……ほんの少し。本当に少しだけ違う。表面の光沢、内側から覗く歯車の色やわずかなサイズ。そういった細かな違いが、その巨人をこれまで見てきた同型の巨人とは別物だと無言で物語っていた。

 古代の機械巨人−アルティメット・パウンド 攻3000

「永続魔法、古代の機械要塞(アンティーク・ギアフォートレス)を発動。そしてバトル、まずは古代の機械飛竜を奪い返すノーネ!」

 地響きとともにそのもう1人の巨人が足を踏み出すごとに、その周辺に床をかち割って歯車仕掛けの巨大要塞が浮上する。もちろんソリッドビジョンなことは百も承知なのだがその巨大さはフィールド魔法並みで、巨人がその歩みを止めた時には既にデュエル場全体が要塞の内部に取り込まれていた。
 そして、そんな要塞の内部で僕らを見下ろす巨人のモノアイが1瞬光を増す。おもむろに振りかぶられた拳が、要塞の破壊もお構いなしに叩き落された。

 古代の機械巨人−アルティメット・パウンド 攻3000→古代の機械飛竜 攻1700

「一時休戦の効果で、ダメージは……」
「確かにダメージ『は』、通りませんーノ。ですが相手モンスターを戦闘破壊したことで、アルティメット・パウンドの効果発動!手札の機械族モンスター、古代の機械箱を捨てることでその横のグレイドル・イーグルに連続攻撃!」
「連撃効果!?ならイーグル、あのデカブツに……」
「もちろん、そんな失策を犯すほどこのデュエル担当最高責任者の称号は軽いものではないーノ。古代の機械要塞の効果により、このターン場に出された古代の機械は相手の効果対象にならず、相手の効果で破壊されないノーネ!」

 次いでもう片腕を振っての爪の一撃が、イーグルの体を大きくえぐる。いつものように衝撃に逆らわず液状に溶けて寄生に取り掛かろうと
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