ターン83 鉄砲水と決別の歯車
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LP3800 手札:4
モンスター:なし
魔法・罠:なし
クロノス LP4000 手札:6
モンスター:古代の機械飛竜(攻)
魔法・罠:1(伏せ)
「突破してくる覚悟はしてたけど、まさか手札すら減らせないとはね……まだまだ、ドロー!」
今引いたカードは……地獄の暴走召喚、ねえ。自身の特殊召喚を許さない古代の機械巨人を高速召喚をしての制圧を軸にするクロノス先生相手なら悪いカードじゃないんだけど、よりによって今ここで引くのはまずい。となると、なんとか元から手札にあるカードで……ん?なんだろう、何か引っかかる。待てよ……?
『ふむ。マスターが自力で考えるのならば、私は余計な口出しはすまい。下手な手を打って後悔する前に、よく考えてカードを選ぶことだ』
何かを感じながらもその何かがわからず苦しむ僕にアドバイスでもくれるのかと思いきや、相変わらずの放任主義でまた静観モードに入るチャクチャルさん。ただあの口ぶりからして、チャクチャルさんもこの手札から何かに気が付いたようだ。そして恐らくそれは、僕が引っかかっているのと同じことだという予感がする。先生の場には召喚、特殊召喚時にサーチを行う古代の機械飛竜、僕の墓地にはグレイドル・イーグルがいて、今手札には地獄の暴走召喚とそのトリガーにできる魔法カード、浮上がある……。
駄目だ、わからない。ここで地獄の暴走召喚を使うことがベターな手だとは、どうも思えない。じゃあいったい、何がこんなに引っかかっているんだろう。
懸命に手札を睨んで考えていると、突然その思考をぶった切るようにして頭上のスピーカーから聞き覚えのある声が突然降ってきた。
『コホン。全校生徒の皆さん、2年の葵・クラディーです。皆さんお探しのクロノス先生の行方ですが、つい先ほど遊野先輩と遭遇、今現在デュエル場にてデュエルをしています。恐らくこのデュエルで先輩が勝てば、クロノス先生は授業を再開していただけるのでしょう。全校生徒の皆さん、先輩の応援のため至急お集まりいただくよう願います。以上、緊急連絡でした』
「むむむ、しまったノーネ!まさか最初からこれを狙って、こうなったらこの勝負は一度預け……」
「いたぞー!」
「確かにクロノス先生だ!」
「こんなところにいたのか!」
「ギャビーン!囲まれてしまったノーネ!?」
……なーるほど。あの時見捨てられたのは僕への復讐がてら、自分が放送室にたどり着くまでの間クロノス先生を足止めしておくことまで兼ねていたとはね。葵ちゃんったら、ほんっと抜け目ないんだから。ここまでいいように使われると、なんかもう怒る気も湧いてこない。しかも、ちゃっかり僕が勝てば授業再開だなんておかしな条件付けてるし。あんな全校放送で明言されれば、いくらそれが根も葉もないデタラメでも面と向かっては否
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