ターン83 鉄砲水と決別の歯車
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返し、3人揃って廊下を塞ぐようにサッと広がる。通れないことに気づいたクロノス先生がぶつかる直前急ブレーキをかけようとするも勢い余ってその場にこけて、受け身も取れずに顔面を強打する。鼻を押さえて少し涙目になりながらも、よろよろと起き上がる。
「アルデンーテ、どうしてどいてくれないノーネ……」
「申し訳ありませんが、私に言われましても先輩の指示ですので」
「あーおーいーちゃーんー?」
しれっとこちらに罪をなすりつけてくる後輩を睨みつけると、その倍ぐらいにきつい視線で睨み返された。さてはこの女、まーだこの間明菜さんアカデミアに呼んだこと根に持ってたな。あれは事故、というかあの人の独断だって散々説明したってのに、もう。
「シニョール清明、それは本当ですーカ?」
「いえ違……」
「重ね重ね申し訳ありません、クロノス先生。私だって何度も止めたのですが、先輩は言いだしたら引かない人ですから」
否定のセリフにかぶせるよう、1歩前に出た葵ちゃんがこれでもかとばかりにまくしたてる。駄目だこりゃ、完全に人のことを売りにかかってる。もしかして今日は最初から、こうなることを全部予期して僕のそばにいたんだろうか。そういえばさっき最初に夢想との話に入ってきたときも、妙に彼女らしからぬ積極的な登場だった気がする。げに恐ろしきは女の執念、そう言ったのは誰だったろう。その言葉の意味を痛いほど理解していると、クロノス先生の矛先はこれまで事態を静観していた夢想に向いた。
「セニョーラ夢想、実際のところはどうナノーネ」
さっすがクロノス先生、授業ボイコットはともかく人間はできてる。ちゃんと聞いた話を鵜呑みにせず第三者に確認を取るあたり、伊達に教師生活やってない。夢想ならきっと、僕の無実を訴えてくれるはずだ。
「うーん……でも清明、たった今言ってたよね。『やっぱ授業はやってもらわないと』って、なんだって」
「うっ!?」
『八方ふさがりだな、マスター』
チェックメイトを告げるチャクチャルさんの声がなんだかひどく楽しそうに聞こえたのは、絶対に気のせいではないだろう。完全にどうせ他人事だからって静観モードに入ってんな、あの邪神。
そして夢想からのお墨付きを得たクロノス先生が、改めてこちらに視線を向ける。当然先生の方が背が高いので、自然と僕がその顔を見上げる格好になった。
「シニョール清明、教師に向かって随分な態度ナノーネ」
「そんなこと言うならクロノス先生だって……」
「言い訳無用!私は教師として、そんなデュエリストにあなたを育てた覚えはないノーネ!そのゴルゴンゾーラのようにカビの生えた根性を叩き直してあげますかーら、こっちに来るノーネ!」
「……ど、どこにですか?」
「情けない、それでもデュエリストですーカ?ここはちょう
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