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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン83 鉄砲水と決別の歯車
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古代の機械巨人をリリースしてその攻撃力を断りもなく一方的に奪っていったノーネ」

 どこか遠い目をして、クロノス先生が昔を懐かしむ。あの時、というのは無論、全ての始まりとなったあの入学試験デュエルのことだろう。そしてその目の前で、霧の王がその剣を正眼に構えて究極巨人と対峙した。

 霧の王 攻0→6300

「クロス・ソウルを使ってたあの時とは手順が違いますよ、手順が」
「でも本質はそのまま、そういうのを馬鹿の一つ覚えと呼ぶノーネ」
「うっ」
『これは見事に一本取られたな』
「ち、違うもん。こーいうのはね、苔の一念岩をも通すってのさ。今からそれを証明してやる、さあ頼むよ霧の王!古代の機械究極巨人に攻撃、ミスト・ストラングル!」

 ここでラディアンを狙えば、クロノス先生のライフは残り500まで減らせる。それはそれで魅力的な案ではあるし1瞬そうすることも考えたが、すぐ思い直して先に危険度が高い方を排除しておくことにした。それに、妨げられた壊獣の眠りで呼び出したモンスターには攻撃できる限り必ず攻撃宣言をしなければならないデメリットが附属する。もし上手いこといけば、ここで究極巨人を倒すだけでなく返しにラディアンの攻撃を暴発させることもできるかもしれない。

 そして僕の指示を受けた霧の王が飛び上がり、振りぬかれた剛腕を紙一重の動きで回避して究極の巨人の脳天に自らの剣を振り下ろす。分厚い金属の体に深々と食い込んだ刀身を伝って、黒いオイルがまるで血のように垂れて地面に落ちた。ややあってその両腕も力を失いだらりと垂れさがり、モノアイの光もみるみるうちに薄くなる。究極の巨人もまた、超巨人の後を追うようにその機能を停止した。

 霧の王 攻6300→古代の機械究極巨人 攻4400(破壊)
 クロノス LP4000→2100

 ……こ、これで今度こそ、今度こそ倒したはずだ。だがそんな僕の淡い希望を打ち砕くかのように、一度は光を失ったはずのモノアイが再び点灯する。崩れ落ちた体が身震いし、自らの体の残骸を押しのけて三度巨人が起き上がる。だが度重なるダメージにもはやその姿は融合体としての力を完全に失っており、シンプルかつ力強い、そして見慣れた巨人がそこにいた。あの入学試験の時からずっと、1度もあいまみえることのなかった僕らのエースモンスターが、卒業間際のこのデュエルになってようやくフィールドで対峙したのだ。

 古代の機械巨人 攻3000

「ま、まーだ次が出てくるの……?」

 いつの間にか、息の上がってきた自分に気づく。始末しても始末してもこれでもう大丈夫だろうと思うたびにまた形を変え姿を変えて切れ目なくフィールドを支配し続ける巨人ども、一撃でも食らったら即そこでデュエル終了になるような大型モンスターのラッシュに、いい加減単純
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