ターン83 鉄砲水と決別の歯車
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「なかなかのしぶとさですが、その粘りもこのターンまでナノーネ。ターンエンド」
辛うじてこのターンはどうにか生き延びれたが、ここからどうする?古代の機械巨人の進化体ということは、十中八九あの超巨人も貫通能力は受け継いでいるだろう。となると、巨人を破壊されない壁として置いておくわけにもいかない。
そして更に輪をかけて状況を厄介にしているのがあの装備魔法、重力砲だ。通常の装備魔法とは違い1ターンに1度攻撃力をアップさせていくためその上昇値に際限がなく、たとえ重力砲そのものを破壊したとしても上がった攻撃力はそのままモンスターに残される。おまけに追加効果として装備モンスターが戦闘を行う相手の効果を無効にしてくるため、攻撃を仕掛けるなら純粋にその数値で上回るしかない。
まったく、ここに来て随分きついモンスターを出してくれたものだ。
清明 LP1000 手札:1
モンスター:古代の機械巨人(攻・コブラ・ガーディアン)
魔法・罠:ディメンション・ガーディアン(巨人)
1(伏せ)
クロノス LP4000 手札:2
モンスター:古代の機械超巨人(攻・重力砲)
魔法・罠:重力砲(超巨人)
「僕のターン!」
仮にここで壊獣を引くことができたとしても、僕の手札に他の壊獣がいない以上巨人の攻撃力で対処できることが大前提となる。超巨人を残しておくよりははるかにマシだが、それにしたって一時しのぎでしかない。ただ唯一光明が見えるとすれば、この僕に残った手札。デュエル開始時からずっと手元にあった、僕の大切な1枚。もし、もしも、ここであのカードを引くことができれば、あるいは……。
『違うな、マスター。もしも引ければ、ではない』
「え?」
『もっと自信を持つんだ。もしも、はない。引くと言ったら引く、確実に次で引き当てる。それぐらいの気概を見せてみろ』
「言ってくれるねぇ……でもま、そりゃその通りだね。わかったよ、これまでそうして来たみたいに、今日だって必ず引いて見せるさ。ここからが反撃開始、ドロー!」
このデッキの中にたった1枚眠る、この状況を打破して逆転に繋げられるカード。それが今、僕の元に……届いた。
「魔法カード、妨げられた壊獣の眠りを発動!全てのモンスターを破壊して、デッキから互いの場に1体ずつの壊獣をリクルートする……でも僕の場の古代の機械巨人は、ディメンション・ガーディアンの効果で破壊から守られる!消え去れ、超巨人!」
壊獣を呼ぶ破壊の嵐がフィールドに渦巻き、超巨人が、そしてその横の飛竜が飲みこまれて粉々になる。だが宣言通り怪獣を呼び出そうとデッキに手を掛けたところで、ふと僕の頭上に影がかかった。実内なのにどういうことだろうと何気なく見上げると、そこには信じられない存在がいた。
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