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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン83 鉄砲水と決別の歯車
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ロに入ったばっかりだ。なのにクロノス先生がこの調子だと、俺たちもう1年この学校にいなくちゃいけなくなるぞ!?」

 そうだそうだ、もう俺内定貰っちゃってるんだ、早くクロノス先生を見つけ出せ……そんな賛同の声が、ぽつりぽつりとあちこちで上がる。

「いいか、クロノス先生は多分、この校舎のどこかにいるはずだ。まず上から順に探すぞ、ただし全員で行くんじゃない。1階に何人か待機して、逃げ出さないように玄関を押さえておくんだ」
「おう!」
「じゃあ俺、十代のアニキを探してくるドン!どうせ今日もどこかで釣りしてるはずザウルス」
「あ、待って!十代様のところならボクも行く!」

 言い出しっぺの彼の指示に従い100人弱の集団がどやどやと上への階段を駆け上がり、それとは別に10人程度がホールへと走り出す。さらに剣山とレイちゃんが校舎外に向かうと、大教室前には僕と夢想、それに葵ちゃんの3人だけが残された。夢想に関してはいまだに何考えてるのかわからない節があるからここに残ってもそう不思議ではないが、葵ちゃんまでこっちにいるとは意外だ。

「あれ、葵ちゃんどっちか行かなくていいの?」
「あまりほいほいと人の指示を聞くのは好みではありませんので」
「あ、そ……ん?」

 何気なく流したけど、よくよく考えたらそれはただのボッチ思考では?葵ちゃんいっつも看板娘やってくれる割に一向に彼女の友達を名乗る人が出てこないとは思ってたけど、彼女との付き合いも2年近くなったここに来て今更そんな切ない理由知りたくなかったぞ。

「……なんですかその目。1人の方が性に合ってるんですから、ほっといてくださいよ」
「あー、貴女はそういうタイプだもんね、だってさ」

 夢想は優しいからそこでとりなすけど、ボッチは皆そう言うんだぞ。まあ彼女の場合、意地でも認めようとはしないだろうけど。

「大体、そんなこと言うなら先輩方こそこんなところで油売ってていいんですか?」
「んー……ぶっちゃけ1人の追い込みにあの人数動かすのって、むしろ悪手にしか見えないんだよね。しかも上からしらみつぶしにー、なんて思いっきり作戦ばらしちゃってるし。多分クロノス先生も、本気で逃げる気ならそろそろこの辺を1回通ると思うよ」
「ああ、確かにそれも一理ありますね」
「そうそう。だからあっち行った皆にはいい感じに陽動やってもらおうかなって」
「むむむ、ちょっとそこをどくノーネ!」

 まるであらかじめ待ち構えていたかのようなタイミングでどたどたと足音を立て、クロノス先生の長身が廊下の向こうからこちらに走ってくる姿が見えた。

「ほら」
「おー。それで先輩、どうしますか?」
「どうしますかって言われても……やっぱ授業はやってもらわないと、ねえ」
「ですね」

 葵ちゃんにそう
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