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とある3年4組の卑怯者
55 社会科実習
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 こうして平井の提案でみどりの班は平井のお気に入りのラーメン屋に決定した。
(私は何も言えずに進んでしまっている・・・。これじゃあ、今までと変わらない・・・)
 みどりは自分が何も出来なくて自分が情けなく感じた。課題として質問を5つ考えることが出された。
「質問かァ。オイ、誰か質問考えてくンねェかァ?」
 平井が聞く。その時、みどりが頭で何かを閃いたようだった。
(そうだ、ここで質問を私が・・・)
「あ、あの、すみません・・・」
 皆がみどりの方を向いた。
「ンだァ、吉川?」
「その質問を作るの・・・、私がやってもよろしいでしょうか?」
 みどりは恥ずかしがりながら聞いた。
「アア、イイけどよォ、オメェ、ちゃんと作れよォ!!忘れたら承知しねェからな!!」
 平井は高圧的にみどりに言った。
「は、はい、わかりました・・・」
 みどりはややビクビクして返答した。
「ンじゃァ、ラーメン屋には電話で俺が聞いとっからよォ、誰か記録してくれる奴イネエか!?」
 平井は聞いた。
「僕がやるよ」
 茅原が答えた。
「ンじゃァ、写真も必要だよなァ、倉山、オメェ、やれるか?」
「わかった。カメラは父さんのを借りるよ」
「よォし、じゃァ、麦田はポスターの構成を考エてくれよォ」
「いいわよ」
 こうして役割分担が終了した。

 みどりは下校中、平井の言葉が何度も頭の中で響き渡っていた。
《オメェ、ちゃんと作れよォ!!忘れたら承知しねェからな!!》
(もしちゃんと質問を作れなかったら平井さんに怒られる・・・。皆に迷惑かけてしまう・・・。自分から積極的にやるって言ったのに・・・)
 校門を出たところ、後ろから彼女を呼ぶ声が聞こえてきた。
「吉川!!」
「吉川さん!!」
 麦田と茅原、倉山がみどりを追いかけながら来た。
「皆さん、どうしたんですか?」
「はあ、はあ、お前、質問一人で考えるつもりかい?」
 倉山が聞いた。
「はい、私の仕事ですから・・・」
「でも一人で考えるのには荷が重いんじゃないの?」
 麦田が心配そうに聞いた。
「は、はい・・・」
「僕達も君の質問づくりに協力するよ。だから一人で抱え込むなよ!」
「え、いいんですか?私のために・・・。でも他の皆さんも自分の役割があって忙しいんじゃないんですか?」
「そんなことないぜ!俺は当日にカメラを持って取るだけだからそれまで他の役割を手伝うよ!」
「僕もノートの用意はすぐできるからさ。それ以外ヒマになっちまうから、それまで君の手伝いをするよ!」
「あ、ありがとうございます!」
 みどりは自分に協力してくれる皆に感謝した。
「それじゃあ、後で吉川の家に行こう!」
 倉山が皆に呼び掛けた。
「ごめんね、倉山君、私今日ピアノのお稽古があって行
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