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逆襲のアムロ
46話 サイアム・ビストの最期
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「そうだ。この天才はそれを肌で気が付いた。フル・フロンタルをマークして、その細胞を培養し、クローンを作ろうとしていた。無駄だとは知らずにな」

次いでハマーンが質問する。

「無駄とは?なぜクローンを?」

「フル・フロンタルは私が造りだした、調整した人形だ。生きる意思を持たない。その分尋常ならざる感覚を備え、生命維持のタイムリミットもあった。言わば既にある者のクローンだった。ギレンはそれがオリジナルでないと気が付くのに多少は時間が掛かっただろうが」

「クローンからクローンを作れない?」

「現状の技術ではな。生きる明確な意思とはつくづく大事なものだ。フロンタルは私がそれを備え植え付けさせた。その任をこなす為に投薬により超人化させた。そしてパンドラボックスを彼に託した」

サイアムは想い耽って話続けた。

「当初は彼がパンドラボックスを持つに適合が難しく、暫くは私の手元に置いていた。彼が時限がありながらもできる努力を最大限にして箱を持つ力を得た。それも私の計算の内だった。人は究極的立場からの巻き返しが尋常ならざる得ない程だと私自身が身をもって体験しているからな」

サイアムはこの地位に辿り着くまでの無茶を振り返っていた。そして自嘲もした。

「計算といっても、打算だがな。何事も結果を見ずに計算が正しかったという証拠にならん」

ジュドー、ハマーンともそんな気持ちなどどうでも良かった。彼らの目的はこの要塞の無力化にあったからだ。

「君らが捜しているものは機関動力部だろ?」

サイアムの指摘にジュドーは胸をドキリとさせた。

「安心したまえ、この要塞にもそれがある。・・・が、物理的な破壊は不可能だ。この船の感応頭脳が全ての守備を司っているからな」

ハマーンがサイアムに質問した。どうやらこの老人はあまり出し惜しみをしないらしいと思ったからだった。

「それはコピーとその感応頭脳の件を教えていただこうか?」

「まず、コピーだがこのケースだ」

サイアムは見下ろしたギレンを見て言った。ジュドーとハマーンは怪訝な顔をした。

「当初は有能な人材を依り代にしようと思ったがまさか木乃伊取りが木乃伊になるとは露にも思わなかっただろう」

サイアムはケース内に横たわるギレンがこの要塞のパンドラボックスのコピーだと言った。

「そして、この船の感応頭脳でもある」

そうサイアムが言うとハマーンは躊躇いもなく、ギレンに向けてブラスターを放った。しかし、その弾はギレンの前で偏光して宙に四散した。

「これで分かっただろう。このギレンのケース自体も、むしろこのケースがこの要塞内で一番強固だ。これを解くには彼が持つ力以上の念が必要となる」

ハマーンは暫く考えてから、サイアムに質問
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