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逆襲のアムロ
46話 サイアム・ビストの最期
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の内で褒めた。

「ハマーン・カーンよ」

サイアムの言葉にハマーンは驚くがサイアムは微笑した。その反応にハマーンは呆れた。

「迂闊だった。この老人に知らないことはほぼ無いんだ」

ハマーンの思ったことに付いて行っていないジュドーはハマーンにその言の真意を聞いた。

「どう言う話だ」

「この老人、サイアム・ビストは世界のフィクサーだ。私らが名乗らずにも私らの事をよく知っている。しかし・・・」

ハマーンは一息置いて、ジュドーを目を配ってから再びサイアムを見た。

「私らはこの老人のことはあまり知らなんだ。とてもアンフェアな話だ」

ハマーンは話を元に戻した。

「さて、あまりに抽象的だが、人の死の話だな」

ハマーンがそう言うとサイアムは長い髭を触り、頷く。

「生きる意思、それだけだ。精神が肉体を凌駕するという話は昔から伝え聞いていた。病魔に襲われて健常者よりも内臓が足りずともそれに体が適合し、生き続ける。医療では臨床で常識とされてきている」

ジュドーは黙ってハマーンの話を聞いていた。サイアムも同じくだ。

「自殺にしてもそうだ。たとえ健常者と同等な身体状態であれ、心が死んで首を吊る。そういうことにしては生きる意思が無くなる事が死と同等に思える」

「ふむ、良き答えだ。続けてもらいたい」

サイアムは満足そうにハマーンへ話を促した。

「サイコミュは人の意思を汲み取る機械だ。私は詳しくは知らんが、操る側としても真奇妙な機械だとは感じていた。しかしそれを自然に使いこなすとあまりメカニズムを気にしなくなるのは今までの先端技術に倣う」

ジュドーは自分なりの意見をハマーンに話した。

「オレらがオーブントースターの仕組みを知らずにおいしいパンが焼ける機械なんだと思って使っているってことか?」

「簡単に言えばそうだ。そしてこのゼウスとかいう要塞」

ハマーンは周囲を見渡す。

「サイコフレームで構築された巨大建造物。これをサイコフレームで作った理由が現段階での最強硬度を誇る建造物でそれを維持する為の人の意思がここにある」

サイアムはニンマリと微笑んだ。

「大体、完答だ。このゼウスは人の意思によって保たれている。サイコミュの優位性はむしろそれしかない。それを維持するにサーバーが必要だった」

ハマーンはサイアムの話に予測で答えた。

「それがパンドラボックスなのか?」

「ご名答。凄いな君は」

サイアムは感心していた。

「想いの拠り所を集約する機械、それがパンドラボックス。それを持つ者はフル・フロンタルだ。そしてこのゼウスにもそのコピーがあるのだ」

「コピー?」

ジュドーが首を傾げて言った。サイアムはギレンを見下ろしていた。
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