~prelude~
~event after the tragedy~
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とかに感じる、そっち系の愛らしさで……
……というのもコイツ、こうやって間近に見るとひときわチビっ子なのだ。この体格は多分、中等部。いや、もしかしたら最近始まったインターン制度で入ってきた小学生かもしれないぞ。
−そんな小さな子が、さっきの救出劇をやってのけたのか。
すごい。それはすごい、のだが……
「……くっ……」
この子はいま俺の腹にまたがるような姿勢になって、腹部をきつく圧迫してきていた。
息が、苦しい。
なので、 なんとか姿勢を変えられないものかともがいていると−
ちろ、ちろろ。
「?」
俺の鼻を少女の名札がくすぐってきた。今日が始業式なので学年やクラスは未記入だったが、名前は−『神崎・H・アリア』。
「……?」
なんでこんな高い位置に名札があるんだ?
−そう思って視線を下ろしていくと−
「−っ!」
このアリアとかいう少女のブラウスが……
首の辺りまで、思いっきり目くれ上がってしまっていたのだ!
どうやらここに転がり込んだ時の勢いで、ズレてしまったらしい。おかげで、白地にハート・ダイヤ・スペード……トランプのマークがぽちぽちプリントされたファンシーな下着が丸出しになっている。
『65A→B』……?
下着の縁からぴょろっと出ていた妙なタグの表記に、ああ、と思い付く。
これはプッシュアップ・プランジ・ブラ。いわゆる「寄せて上げるブラ」だ。なんでこんなこと知ってるのかというと、生前の兄が詳しかったからで、断じて俺が自発的に知っていたことではないのだが……
このアリア、AカップをBカップに偽装しようとしているらしい。だが気の毒だが、その偽装は失敗と言わざるをえないだろう。寄せて上げる元手に乏しすぎて、寄りも上がりもしていないからだ。
とはいえ−これは、俺にとっては不幸中の幸いだったかもしれない。もしこの胸がもっと大きくて顔に押し付けられていたりしたら、困ったことになっていた。
禁を破って、有無を言わさず、なってしまっていただろう。『あのモード』に。
「……へ……へ……」
「−?」
「ヘンタイ−!」
突然聞こえてきたのは、アニメ声というかなんというか、この声だけでもファンがつきそうな、おいお前その顔その姿でその声は反則じゃないか?ってくらいの、ちょっと鼻にかかった幼い声だった−
~Please to the next time!
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