暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第65話『青年と老人』
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、砂浜を走ること数分。全速力で走ったから、そりゃ息も切れる。
一方、カズマは全く疲れた様子を見せていない。先ほどの戦闘と云い、きっと凄い人物なのだと思われる。
いやそもそもに、キリッとした目、高身長、整った顔立ちという、美青年と言うに相応しい容姿な時点で凄い。ついでに言えば、袴を着ているところが侍っぽくて格好良い。


「さてさて。さっきは忙しかったから簡易にしたが、もう一度自己紹介しよう。俺はカズマ。歳は二十一くらいか。特技は・・・特になーし」

「さっきの剣術は…?」

「あんな力任せ、特技なんて呼べねぇよ。俺に"斬る"なんて、器用な真似はできねぇんだ」


短い茶髪を掻きながら、彼は嘆息した。
確かにさっきの剣術は単純な力技にも見える。それでも、緋翼にできないことをやってのけてはいるのだ。伊達な剣術ではないと思う。


「それにしても、何でお前らはゴーレムの群れに囲まれてたんだ?」

「それが────」


晴登はカズマに今までの経緯を話してみる。謎の人魂によって見知らぬ場所に飛ばされ、いつの間にかゴーレムの群れに襲われたのだと。自分でも突拍子もないことだと思う。

しかし彼はなんと、驚く様子を見せることもなく、むしろウンウンと頷きながら聞いていた。さすがに人を信用しすぎではないかと、逆に心配になる。


「なるほどなるほど。だったら話は早ぇな。ちょっとばかし、ついて来て貰うぞ?」

「えっ?」

「もちろん拒否権はありませーん。ほら、行くぞ」スタスタ


こちらを振り返ることもせずに、彼はズンズンと進んでいく。余りの展開の早さに拍子抜けするが、ついて行かない訳にも行かず、一行はカズマの後を追った。






「…何処ですか、ここ?」

「俺の住んでる村だ。目的地はもっと奥だ」


晴登達が辿り着いたのは、弥生時代にでも在りそうな村だった。家の造りが簡易的で、村の周囲を柵が取り囲んでいる。住人もチラホラと確認できた。

ちなみに、村の規模はあまり大きくないようで、目的地にはすぐに着いた。


「婆や、俺だ。カズマだ」コンコン


カズマは目的地である家の扉を叩く。その家は他の家と大差ない造りで、特別な感じは見受けられない。


「お入り」


扉の向こうから女性の声がした。カズマが「婆や」と呼んだ割には、声は若々しい印象である。


「「失礼します」」


カズマがドアを開けるのに合わせて、晴登達は挨拶をする。その時顔を上げた晴登は、やはり第一印象は裏切らないのだと知った。何せ、目の前で椅子に座っているのはお婆さんなどではなく、まだ二十代程のお姉さんだったのだ。


「よく来たね」

「紹介するぜ。この人が俺を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ