ep5 世界の骨は狙われる
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がエレベーターを上がってくる合図だ。
作業用エレベーターが下降を始める。するとちょうど、下方からMSがレールを伝って上がってきた。私は、すれ違いさまにMSを視認する。
ティエレン軌道エレベーター守備型。下半身がカーボンレールを駆け抜けるために改造されているのが特徴的だ。
「あのティエレン、この前やったエレベーター防衛のデモンストレーションで『鋼鉄のカウボーイ』に勝ちましたよね」
「レールがあるところならどこへでも行けるし、主武装のリニアカノンはエレベーターから直接エネルギー供給できる。太陽炉搭載機が普及してる今でも万能だろうよ」
先輩は独り言のように呟きながら、窓の向こうの戦闘を眺めていた。エレベーターに特攻をかけるヘリオンが地上部隊に落とされていた。
というか、もし落ちていなかったら完全に私たちが死んでいる。そう思うと、早くこの小さな箱から抜け出したくなった。
だが、そんな私の願いは届かず、突然の震動が作業用エレベーターを大きく揺らす。
「わっ!」
私たちは何にも掴まれず、エレベーター内でシェイクされてしまう。私は頭を抱えて身体を丸めていた。ふと、誰かの骨がポキッと折れる音が聞こえた気がした。
やがて勢いは収まり、私は恐る恐る周りを見回す。先輩たちも私と同じようにうずくまって耳を澄ませているようだった。
先輩が近くにいた仲間に声をかける。
「おい、さっき骨折ったのお前か?」
「お、う。つか、ホントいってぇ。労災、下りるかなッ……」
「認定されるに決まってんだろこんなの。もうちょっと我慢するんだ。頑張れ!」
何だか焦げ臭くて、私は窓枠から外を確認した。それから原因に気づき、先輩に伝える。
「先輩、上の方でさっきのティエレンがやられてます。ヘリオンっぽいのが刺さってる感じで」
「優秀なんじゃないのかよ!さっき新しいレールに変えたばっかだぞこの野郎!」
「いや、優秀でしょ。あのティエレンのパイロット、エレベーターを守るために自らクッション代わりになったんだから」
軌道エレベーターに一撃食らわされたのは事実だけど。
でも、それにしては衝撃が少ない。恐らく、敵は損傷して勢いがない状態でティエレンに衝突したのだろう。そうでなければ、今ごろ私たちはこの箱に閉じ込められたまま、地上まで自由落下していたに違いない。
「どっちにしろ、あの機体のパイロットに感謝ですね」
「いやいや、この後始末を誰がやると思ってる?エレベーター関係は俺たちの仕事だぞ」
「生きてるだけマシですよ。先輩、早く地上に行きましょう」
「分かってる。エレベーターの手動操作を使え。ボタンの下にあるから」
「分
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