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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
まぼろしの城 3
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極黄龍。陰陽五行の印もって相応の地の理を示さん。急急如律令!」
さきほど使用した五行方陣に匹敵する威力を持つも術式の異なる呪術が炸裂。四神を象った呪力が生じて荒れ狂い、呪術の嵐がふたたび吹き荒れる。
秋芳と果心居士の戦い、術くらべは終わる気配を見せない。
「凄い……、これが、呪術。これが対人呪術戦……」
秋芳との訓練でそれなりに力と知識を得たと自負していた京子だが、それは思い上がりだったと痛感した。
不動金縛り、符術、セーマンドーマンの呪壁、甲種言霊、幻術、火界咒、兎歩、雷法、厭魅、蠱毒、持禁――。
千変万化の呪。古今に知られた数多ある練達の技。ありとあらゆる呪術の応酬。
その中には京子がいまだ見たこともない呪術もあった。霊気が渦巻き呪力が交差する。秋芳と果心居士、二種の力が激しく入り交じり、熱気とも冷気とも知れない霊風が吹きすさぶ。
まるで戦う二人を中心に、竜巻が荒れ狂っているかのように。
激しい、あまりにも激しい呪術戦の余波を受け、御座の間は天守閣のある御殿ごと崩壊した。それでもなお周囲にあるかがり火と月明かりの光の下で、なお両者は術をくり出し続ける。
京子があらかじめ堅固な結界を展開していなければ霊圧にさらされ、こちらの身もただではすまなかっただろう。それでもなお身体が、霊体が焙られているようだ。
「オン・ビシビシ・カラカラ・シバリ・ソワカ」
秋芳が不動金縛りとともに苦無を象った簡易式を打つ。だがそのどちらも狙いは微妙にはずれ、果心居士にはとどかない。
「クツクツ、手元が狂ったかの? そろそろ疲れが――ッ!?」
困惑の表情を浮かべ身を固める。
「こ、これはどうしたものか? なにゆえ身体が動かぬ!? 今のぬしの金縛りは不発に終わったはず……、はっ!」
視線を落としてそれを見た瞬間、その表情は困惑から驚愕に変わった。
金色の月光に照らされて落とすおのれの影に苦無が刺さっている。
「こ、これは影縫い! ううむ、さしもの儂もこのような忍びの術は門外漢よ、返しかたは知らぬ」
「そうか、なら詰みだな。今の状態では印も結べず、ほとんどの術は使用できないだろ。負けを認めてもらおうか」
「なんのまだまだ、無粋を承知で力業にいかせてもらおう!」
「はぁ?」
「喝―ッ!」
叫びとともに怪老の矮躯から途方もない霊力が爆発的にあふれ出た。
完全に『かかった』術を力づくで解除する。圧倒的な霊力呪力があるからこそ可能な力業。影に刺さった苦無は地面から押し出されるように抜け落ち、そのまま影に飲み込まれた。
秋芳の影縫いは高い完成度で発動したが、果心居士の霊力呪力にくらべると、それでもまだ差があった。技術ではなく総量の差。圧倒的なパワーの差だ。
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