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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
まぼろしの城 3
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ばれ、人の世に今もなお密やかに受け継げられている。果心居士はそれを使ったんだ」
「もとに、戻せるの?」
「戻すさ、絶対にな」
『凄い力だ……!』
なんともいびつで不自然なことに、巨漢と化した肩の上。そこには依然と変わらぬ天馬の童顔があった。その口から野太い声が響く。
『こんな凄い力があればなんだってできる気がする。……ねぇ、秋芳君。僕と、戦って』
「天馬!?」
「悪い京子、少し下がっていてくれ。天馬のことは俺にまかせろ」
「でも……」
「頼む」
「……わかったわ」
「さて、天馬……。つうかまたえらい格好になっちまったな。秀頼っていうか『戦国BASARA』の秀吉だぞ、そのガタイは」
『最初に会った時から僕はずっと秋芳君に憧れてたんだ。僕にはない力を持った秋芳君に。僕は今、凄い力がある。秋芳君と戦いたいんだ』
憧れの感情。
それは秋芳にとって縁のないものだった。今までその霊力のため恐れられたことはあっても、憧れの目で見られたことはない。
「俺と戦いたいって言ったが、ダメだ。術くらべもいい、組み手もいい。だがこんな形での戦いなんてまっぴらだ。そんなかりそめの力で戦っても嬉しくないだろ? つまらないだろ?」
『なんであれ力は力だよ、いやだと言っても僕はやめないからねっ!』
巌のようになった拳を握り、高く掲げて威嚇する。
「そんな手で殴られたらぶっ潰されちまうかもな。天馬、おまえはそんな無意味で理不尽な暴力を振るうようなやつじゃない」
『うるさい、うるさい、うるさい!』
言うやいなや天馬は拳をふるい、秋芳の胴に重たい一撃を喰らわせた。
壁際まで大きく吹き飛ばされ、床にころがる秋芳。
「え、うそ……、なんで、なんで避けないのさ?」
「……天馬なら殴らないからだ。おまえは、そんなことはしないって」
金臭い。口の中を切ったようだ。
「そんなこと、そんなことないよ。そんなこと……」
「俺は戦わないよ、天馬。こんなこと、もうよそう。俺はおまえに、俺を殺させたくない」
肉がひしゃげ、骨がきしむ。人を殴った嫌な感触の残るみずからの拳を見下ろす天馬。
そう、自分は友達を殴ってしまったのだ。
その事実を認識するとともに、酩酊していたような高揚感は消え去り、後悔の念が胸に満ちる。
全身から力が抜け落ち、妖気も霧消していく。甲冑にラグが走り消え失せ、部屋にいた時に着ていた服の姿になった。
糸の切れた操り人形のようにくずれ落ちそうになるのを駆け寄って抱きとめる秋芳。
「京子、ちょっと天馬を頼む。俺はこのじいさんと話をつける」
「口から血が出てるじゃない。あたしが代わりに…」
「いや、俺がやる。君はこんな妖怪じじいと因縁を生じさせる必要はない。それよりも
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