暁 〜小説投稿サイト〜
東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
まぼろしの城 3
[14/17]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
! 非凡な霊力と思うていたが、これほどとは!」
望めば望むだけ霊力があふれてくる。これが京子の持つ如来眼の力だ。
大海から押しよせる海嘯のごとき霊力が式神らを駆逐し、果心居士の動きすら止める。
秋芳はその隙に金色をした最上級の紙幣。冥銭を取り出し剣指にはさむと、念を凝らし口訣を唱える。
「玉帝有勅、三昧真火神勅、形状精光、上列九星。急急如律令!」
冥銭が燃えて火球と化し。赤、青、白と熱が上がるごとにその色を変え、巨大化する。完全なる赤色をした純然たる火。三昧真火が完成すると、それを果心居士目がけて投げつける。
「三昧真火!? それは反則じゃ!」
水剋火。それを防がんとありったけの水行符を投げ打つ。吹雪さながらに宙を乱舞する呪符。そのどれもに並々ならぬ呪力が込められているも、そのことごとくを三昧真火は焼き払う。
「タニヤタ・ウダカダイバナ・エンケイエンケイ・ソワカ!」
龍索印を結印し、仏教の護法神である天部の諸尊。十二天のひとつ水天の真言を詠唱。
「ナウマク・サンマンダ・ボダナン・バルナヤ・ソワカ!」
錐のような水滴が、銃弾のような雨が、大砲のような水流が火の勢いを消そうと渦巻き、霧の壁が、水の楯が、氷の砦が火を防ごうと展開するも、そのすべてが焼き払われる。高熱の水蒸気が吹き荒れ、まるで灼熱地獄がこの世に顕現したかのような有様。
いまだ勢いの衰えぬ三昧真火。あたってはたまらぬと、無数の式神とそれを吐き出し続ける呪印ごと楯にしてぶつける。強大な呪力と呪力とが正面衝突し、轟音がとどろき空間が震える。それでやっと三昧真火を相殺することができた。
「動きが止まってがら空きだ。京子、合体呪文で修祓するぞ、気を合わせろ」
「了解!」
「「――奇一奇一たちまち雲霞を結ぶ、宇内八方ごほうちょうなん、たちまちきゅうせんを貫き、玄都に達し、太一真君に感ず、奇一奇一たちまち感通――天御中主神の威を以って、これなる邪気、瘴気を一掃せん」」
秋芳と京子の打った呪符が光り輝き、列をなして宙を舞う。
秋芳からは黒曜石のような、京子からは真珠のような色をした呪力の軌跡が伸び、果心居士を囲む美しい環を成す。
虹色の霊気が京子を彩り、その美しさをいっそう際立たせる。亜麻色の髪が宙にたゆたい、手にした呪符が一枚、また一枚と蝶のように羽ばたいて果心居士を囲む光の環にくわわる。そして最後の一枚がくわわり――。
「
急急如律令
(
オーダー
)
!」
「疾く!」
刀印を結び、振り下ろす。
修祓呪術、太一真君の呪法が発動。白と黒、光と闇、剛と柔、男と女、陰陽双つの気に満ちた呪符の光環がたわめ、内側に向かい収斂。巨大なプリズムの万華鏡をのぞいたかのような光の洪水が奔り、清冽清浄な霊気があふれ、
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ