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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
まぼろしの城 3
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目を背ける京子。こんな暴力を目のあたりにしたのは、始めてだ。
霊災が人を襲い、喰らう。酸鼻極まる場面は以前にいやというほど見たことがある。だがその種の暴力と今の暴力では質がちがう。
生身の人間が、生身の人間を容赦なく痛めつける。それも痛めつけているのは他ならない自分の恋人なのだ。
それが怖かった、悲しかった、自然に涙があふれてきた。
「もう、やめて、やめて。もうやめてあげて! 秋芳君、お願い。その人死んじゃうわ……」
ひっ、えぐっ、としゃくり上がる嗚咽をこらえて。そう懇願する京子の声を耳にして、ピタリと動きを止める秋芳。
「……安心しろ、京子。こいつは最初から生きてはいない」
「どういうこと……?」
「ひゅひゅひゅ、やはり気づいておったか。しかしこの仕打ちは惨い!」
首があらぬ方を向き破壊された喉からすき間風のような声が漏れ出す。
四肢は不自然にねじ曲がっている。顔はまるでザクロのように裂け、もはや容貌の判別ができないほどだ。
だがそれでも、それでも一滴の血も流れ出ていない。
そこにあったのは死体。老人の骸だ。ろくに流血がないということは、心臓が停止してからそれなりの時間が経っているはず。
骸がつつつ、と起き上がる。まるで頭頂部に糸のついた人形が上から引っぱられて立ち上がるような、不自然な起きかた。人の身体はそのような動きはしない。しないはずだ。
もとより異様な老人だったが、さらに異様だ。
京子は見鬼を凝らし、視た。
老人からにじみ出る霊気は、ほとんど減退していない。満身創痍の身体から――いや、身体があるあたりの空間から霊気がわき出ている。
身体が霊気をおびているのではない。
霊気が体に宿っている。
霊気が主であり、人の身が従。従たる人が死んでいるにもかかわらず、主たる霊気はいまだ健在なのだ。
「動的霊災……」
「ぬしらの基準で言うと、そうなるのかの」
「タイプ・スペクター……、いや、タイプ・オーガ。尸解仙か?」
尸解仙。
道教における仙人になる方法の一つ。晋の葛洪が記した抱朴子という方術書には現世の肉体のまま仙境に至り天へと昇るのを天仙。天へ昇ることなく地にいて名山に遊ぶのを地仙。いったん死んだ後で?が殻から脱け出すようにして仙人になるのが尸解仙とし、尸解仙を下位としている。
だが、不老不死を達成するために本来の肉体をいったん死なせ、黄泉還るのは並の術者にできる芸当ではない。死を超越した呪術師。それが尸解仙なのだ。
「ふむ。まぁ、あたらずとも遠からず。といったとこか。外法の賜物という点では似たようなものよ。しかしよう傷めつけてくれたものよ。この身体、もはや使い物にならぬわ」
「自業自得だろ、自分から粉を吹っかけたんだ。悪く思うな」
「頭で納
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