失踪
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「立ってくれる?」
凛は白のティーシャツにジーパンだ。
「笑って」
ニコッと笑う、えくぼができた。
坂田は興奮した、しかしグッと我慢する
(焦るな焦るな)
「次は背伸びをして」
凛が背伸びをする、坂田はお臍が見えるのではと期待したのだ。
(お臍を見せてくれと頼もうか、いや、最初が肝心だ、怪しまれないようにしないと……)
その時、坂田は気づいた、凛の胸が膨らんでいることに。
(まさか女か?いや……男子の剣道で優勝してるんだ、女には無理だろう、しかし……この胸は……)
凛は学校へ行くときは胸にサラシを巻いていた、それは母の秋も知っている、秋は高校生になれば普通の胸になると楽観していたのだった。
結局この日は無難なポーズで終わった、しかし凛の心は不安で一杯だった。
坂田はその足で鈴木邸へ向かった。
凛の写真を早く鈴木誠に見せたかった。
(驚くだろう、これほどの美貌だ)
「ええ、私はしばらく非番がないので……ええ、分かりました、ありがとうございます」
結子の携帯のやり取りに西島、宮迫、丸山が聞き耳を立てている。
捜査1課特命係の水谷からだった。
結子と水谷はともに非番の日に浅井姉妹の事件を追っていた。
先ほどの電話はシネが日本に来ているとの情報だった。
結子はしばらく非番がなく動けそうになかったが水谷がシネに会いに行くとのことだった。
室長室から木村が出てくる。
「みんな聞いて、今追っている事件なんだけど、これ以上進展がなければ他の事件に変えるとの室長からの意見よ」
「もう少し待ってくださいませんか?」
結子だ。
「なにか新しい情報があるの?」
「……いえ……まだ……」
「他のみんなはどう?」
「ちょっと待ってください係長、係長はどうなんですか?俺たちは毎日調べて報告しています、しかし係長はなにも報告がありません!」
西島が立ち上がり木村を非難する。
「に、し、じ、ま!」
言った後に唇をキリッと結び結子が西島をにらむ、しかしにらむ表情がどこか可愛いかった。
西島が悔しそうに着席する。
しかし西島の意見は皆の思いだった、木村は捜査に毎日のように行くが具体的な報告が全くなかったのだ、曖昧でどうでも良いような報告しかなかった、これでは不平不満が出ても仕方がない。
「とにかく、もう少し捜査させてください!」
結子の言葉に木村はうなずくことしかできなかった。
ホテルのロビーのソファーに水谷とシネが座っている。
シネはソフトオンデマンコリアの専属AV監督だ。
歳は40半ばくらい、スラッとしていて肌の色艶の良い熟女だ。
「確かに浅井マキのビデオは私が全部撮っています、瞳は途中からですね」
「あなたは監督として
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