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マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第25話(改2)<一つの船>
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な、とても素晴らしい先輩も居られます」

「……だよな」
私はソファに座り直した。

ここは人間関係(艦娘関係)に問題があるような鎮守府ではないだろう。そんなギスギスした雰囲気は微塵も無い。

「ただ……」
グラスを見つめて五月雨は言った。

「提督……貴方とは何処かで、お会いしたような……うまく説明出来ないのですが懐かしい感じがしたのです」
「うーむ」
私はチョッと考え込んだ。

「美保にも五月雨は居たはずだが」
日向もボソッと呟く。

艦娘の個人的な体験や記憶がリアルタイムで他の艦娘に同期(シンクロ)するという話は聞いたことが無い。

美保鎮守府の五月雨がオリジナルの艦娘なのだろうか?
良く分からないが恐らく量産化してもそれは同じだろう。

私は自分でも整理するように口を開く。
「もちろん武蔵様のように、かつての艦船時代の記憶が艦娘の深層心理に定着しているらしいことは事実だが……」

二人の艦娘も黙っている。

少なくとも、かつて艦娘が出現する以前の時代に私は存在していない。
私の父親は空軍だったが彼だって先の大戦中は、まだ子供だったはずだ。

そのとき私には、なぜかあの武蔵様の台詞が頭の中で繰り返し再生される。
『目に見えない物ほど、永遠に残る……』

それは過去とか前世の記憶のことを指して言ったのだろうか?
あるいは現在でも楽しいことや哀しいこと……そういった感情は消し難いものだから、いつまでも残るのか?

グラスの氷が、溶けてカチャッと音を立てた。

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