暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と春の花達
第五幕その九

[8]前話 [2]次話
「このことは日本に来るまでわからなかったよ」
「僕達もだよ」
「このことはわからなかったわ」
「まさかそこまでなんてね」
「まずは桜」
「桜からはじまる国だなんて」
「そうだね、けれど桜もね」
 先生は笑顔でこうも言いました。
「そこまで愛情を込められているとね」
「嬉しいだろうね」
「こんなに愛されているとね」
「桜にしてもね」
「嬉しいよね」
「そう思うよ、幸せなお花だよね」
 実にというのです。
「ここまで想われているお花は少ないだろうからね」
「世界でね」
「本当にそうだろうね」
「ここまでの思い入れになると」
「本当にね」
「ないと思うよ」
 皆も言います、そしてです。
 先生は皆にです、今度はこのお話をしました。
「それで今日のティータイムだけれど」
「うん、何?」
「どうなるの?」
「それで何を飲んで食べるの?」
「飲むのは緑茶でね」
 日本のこのお団子でというのです。
「それで三色団子とういろうと桜餅だよ」
「あっ、そのお餅なんだ」
「桜色で桜の葉で包んだ」
「中に餡子のある」
「あのお餅を食べるのね」
「そしてういろうはね」
 こちらもというのです。
「桜だよ」
「ああ、ういろうもなんだ」
「そういえば三色団子にも桜入ってるしね」
「白、よもぎに桜」
「この三つよね」
「桜尽くしだよ」
 その和風ティーセットだというのです。
「僕も今から楽しみだよ」
「食べるものまで桜尽くしなんて」
「随分といいわね」
「華やかだね」
「贅沢だね」
 先生はにこにことしてこうも言いました。
「今日のおやつは」
「うん、確かにね」
「随分豪勢なおやつよ」
「桜尽くしで」
「季節の味を楽しめて」
「だからこう言ったんだ」
 贅沢と、というのです。
「僕もね」
「確かにそうだしね」
「この組み合わせは贅沢だわ」
「それもかなり」
「華やかなまでに」
「この華やかがね」 
 先生ご自身もというのです。
「贅沢だよね」
「日本の贅沢だね」
「季節の華やかさを楽しむ」
「それも味だけじゃなくて心でも」
「とても贅沢よね」
「この贅沢を満喫するよ」
 ティータイムにというのです。
「是非ね」
「日本の贅沢だね」
「まさにそれね」
「日本の贅沢を味わえるなんて」
「何ていいことなんだろう」
「皆と一緒にね」
 先生は一人で何かを楽しむ人ではありません、勿論皆でなのです。今一緒にいる動物の皆です。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ