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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
奇門遁甲(乙種)
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同志だった。けれども今、ぼくたちは賀茂秋芳を討たなければならない!」
「お、おう」
「いや待て、夏目。おまえは総大将だ。最後の最後までここを動くんじゃない。悠然と構えてろ」
「冬児? …うん、わかった」
「秋芳を捕えるのは俺と春虎。それと、天馬は来るか?」
「う、ううん。僕が行っても足手まといにしかならないだろうし、ここで連絡係してるよ」
「そうか。じゃあ倉橋は?」
「…………」
「おい、倉橋?」
(秋芳君てば、あたしのためにお祖母様から時間を取ってくるだなんて、嬉しいことしてくれるじゃない。せっかく空けてくれたんだし、やっぱデートよね、デート。この前みたく映画を観て買い物がいいかしら? それとも次は遊園地とか? 秋芳君となら美術館巡りも良さそうね。クラシックコンサートも。歌舞伎や能も渋くて良いわ。あ、意表をついて動物園や水族館も良いかも――)

 聞いてない。
 京子はふふふとわずかににやけ顔を作り、デートプランを練っていた。

「……倉橋も居残りだな。よし、春虎。行くぞ」
「ああ、二人のほうが身軽っちゃ身軽だしな。冬児とならなんとかなりそうな気がするぜ」
「へっ、嬉しいこと言ってくれるぜ」

 春虎と冬児、ともに出陣。
 残ったのは夏目、天馬、京子の三人。
「んー、なんや佳境になっとるなぁ。お、さすが名産だけあってココの落花生はごっつ美味いやないの。麦系の炭酸飲料によう合うわ」

 ポリポリポリポリ。

「名産と言えば、きのうの夜は秋芳とあんこう鍋食べたよ」

 ポリポリポリポリ。

「豪勢やなー」
「一日がかりでトラップしかけまくったから、ご褒美だよ、ご褒美」

 緊張感もなく後ろで落花生をほうばるのは大友陣と笑狸の二人。

「大友先生……、今日の特別講義の内容ですが、さすがに危険なのではないですか? いきなりこんな形での野外実習だなんて、それに今の爆発を見ましたよね? あぶない、危険すぎます!」

 夏目が抗議の色を込めて意見する。

「ん、その通りや夏目クン。でもな、この『危険』もふくめて秋芳クン先生の教えたいことみたいなんや」
「は? どういう意味です?」
「一年とはいえ座学一辺倒の授業じゃあかん。実技にも重きをなす。ここまではええな?」
「はい」
「その次に危機感や。いざという時に自分自身の身に迫るリアルな『死』や『暴力』に対して耐久をつけさせたい言うてたわ」
「…………」
「ようは常日頃からおっかない目に遭うてりゃ、胆がつくってことや。これから先、なにがあるかわからん。ある日、突然に陰陽塾にごっつい敵が強襲かけてくる可能性だってある。そういう時に慌てず騒がず冷静に対処するには、普段からこわい思いしときゃええ。そうすりゃ度胸がついて、どえらい事になっても落ち着
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