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ヘタリア大帝国
15部分:TURN2 連合艦隊司令長官その三
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TURN2 連合艦隊司令長官その三

「いや、四ダースか」
「今はそれだけですか」
「全員合意のうえで彼氏や亭主持ちは一人もいないがな」
「当たり前です。その程度の節度はわきまえて下さい」
「わかってるさ。それで帝だな」
「今から車を出します」
 秋山は電話の向こうで言った。
「御迎えにあがりますので」
「悪いな。ではな」
「今何処におられますか?」
「ホテルだ。難波のな」
「わかりました。幸福菓子ですね」
「ああ、そこだ」
 こう話してだ。秋山はすぐに車を出してそのホテルに向かった。そしてその出口にだ。
 東郷が何と軍服姿のままでだ。タイトスカートのショートヘアの美女と共にいた。その彼の前で車を止めてだ。
 そのうえでだ。秋山は車から出て東郷に言った。
「ではすぐに行きましょう」
「ああ、皇居だな」
「そうです。京の都の」
「しかし帝に直々によばれるとはな」
「はい、これはかなりのことです」
 秋山は東郷を車に入れながら話す。その間にだ。
 東郷は美女に笑顔で手を振る。美女も微笑んで手を振り返す。
 そのやり取りの後で助手席に入りだ。秋山に言うのだった。
「俺の女性問題を帝直々に御聞きになられてか?」
「そしてご叱責だというのですね」
「ははは、俺も大物になったな」
「それなら宇垣閣下と山下長官が担当されてますね」
 秋山は運転席に入ってエンジンを入れる。右座席になっている。
「帝はそうしたことは言われないので」
「器の大きい方だからな」
「全く。お二人に言われてもですね」
「女遊びを止めないっていうんだな」
「それさえなければ本当に」
 秋山は運転をはじめながら隣に座る東郷に話す。
「完璧なのに」
「完璧な人間なんていないさ」
 東郷はその秋山に返す。両手を組んで自分の頭の後ろにやりながら。
「だからいいんだよ」
「そう言って妥協されるのですか?」
「妥協はしないさ。ただな」
 どうかというのだ。そこは。
「人間も国家もな。神様じゃないからな」
「完璧ではないというのですね」
「そうさ。それでこそ魅力もあるということでもある」
「そう言われますと祖国様も」
 秋山は日本のことを考えた。彼の愛するその祖国のことをだ。
「素晴らしい方ですがそれでも」
「あれでかなり天然だな」
「はい、そこがまたいいのです」
「いいな。俺も祖国さんのそうしたところも好きだ」
「ですね。それでは」
「俺の女好きも欠点じゃない。祖国さんもあれでいいんだ」
「全く。口が上手いといいますか」
 仕方ないといった顔で返す秋山だった。そのうえでだ。
 車を京の都に走らせた。そこには。
 和風の質素だがそれでいて気品に満ちた檜と漆の宮殿があった。そこに入りだ。
 木の廊下
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