番外編 青き恒星のヘラクロア
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顛末を知る。
この地球にも襲来していた、怪獣軍団。彼の者達は、「地球守備軍」というこの星の防衛組織によって撃退されたのだという。
――自分達より遥かに寿命の短い人類が、あの怪獣軍団を追い払った。その事実に衝撃を受けながらも、烈騎は安堵した。もう、戦友の眠りが脅かされることはないのだと。
そして彼は、自分達と同じ苦しみを味わいながらも、それを乗り越えて生きている地球人達の力になるべく――戦災孤児院の従業員として働くようになった。
怪獣軍団との戦争で親を失った、大勢の子供達。そんな彼らにシンパシーを抱いた烈騎は、この星に一つでも多くの「自由」を灯すために戦うと決める。
――かつて、亡き戦友が思い描いた未来に、僅かでも近づくために。
◇
――そんな日々が幕を開けて、しばらくの月日が経つ頃。年長の子供達を連れ、日用品の買い出しに繰り出していた烈騎は、近場のスーパーに訪れていた。
「あ! これ『1/200コスモビートル日向機』じゃん! ねー烈騎、買って買って!」
「おれ、こっちの武灯機がいい!」
「だめだめ、今日は必要なもの買う分しか持ってきてないの」
「ちぇー……」
「……来月の給料日までいい子にしてたら、院長に内緒で買ってあげるから。我慢しなよ」
「よっしゃー!」
「さすが烈騎ー!」
現金でわんぱくな子供達に手を焼き、苦笑いを浮かべながら。亜麻色の長髪を靡かせる赤い眼の青年は、今日も平和なひと時を過ごす。この星の安寧を願う、地球人の1人として。
――そんな折。食材のコーナーに向かったところで、ある一組の男女とすれ違う。サングラスやマスクで素顔を隠した、あからさまに怪しい姿だ。
「ん? ねー烈騎、あれ不審者?」
「シッ、見ちゃいけません! というか、失礼なこと言っちゃいけません!」
つい目で追ってしまうが、あまり不躾に眺めるのも失礼だろう。そう判断し、烈騎は早々に過ぎ去ろうとする。
「しっかし、たかが買い出しくらいでいちいち変装しなきゃならなくなるなんて、入隊した頃は考えたこともなかったよな」
「シッ、声が大きいわよ威流! ――だいたい、こういうのは侍女たる私の仕事であって、次期当主のあなたが出向くような要件じゃ……!」
「んなこと言ったって、家じゃ葵とルクレイテが毎日睨み合ってて、居心地悪いっつーかさ……」
「だからって私の仕事に逃げ込まないで!」
――が。彼らの会話を聞き、ふと足を止めてしまう。
ルクレイテ?
「……?」
「……」
すると、向こうの男性も何かを感じ取ったのか――サングラスをずらし、黒く凛々しい瞳で、烈騎を見据えた。
赤い瞳と、その眼差しが暫しの間、重なり合う。……だが、
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