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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
骨喰
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どこか大人なところがあった。
「でもね、たしかに気になることがあるの。父さん日本刀を集めてるし、剣道もしてたから…」
「ありえないよ。なんならちゃんと調べてみたら?」
「刀を?」
「うん」
「……あのね、見まちがいだったかもだけど、父さんの持ってた刀から霊気が出てたかもしれないの」
その時インターホンが鳴った。
麗香が玄関にむかい、訪問者にどなたですかと尋ねる。
「呪捜部の者です。逢坂氏が殺害された件でうかがいたいことがあるのですが、一色辰夫さんはご在宅ですか?」
「今、ちょっと出てますけど、父になにかご用ですか?」
「大したことではないのですけどね。そうですか、お留守ですか。もうしわけありませんが中で少し待たせてもらってもいいですか?」
呪捜官の口調は丁寧ではあったが、その態度はあつかましく、いやな自信にあふれていた。
とりあえずダイニングに通し、お茶を出してから、麗香は天馬のいる部屋に駆け込む。
「どうしよう、呪捜官の人が来ちゃった。父さんに聞きたいことがあるって。父さんまさか…」
「落ち着いて。落ち着いて麗香ちゃん。たんに話を聞きに来ただけでしょ? 捜査令とかは見せなかったんでしょ?」
「うん、うん…」
「麗香ちゃんさっき刀に霊気があるとか言いかけてたよね? お父さんを疑うわけじゃないけど、やっぱり刀を調べてみようよ。それとも刀の置いてある部屋に呪捜官を入れちゃったとか?」
「ううん、それはないわ。あたしも不安だったから」
「よし、行こう」
麗香の手をとり部屋から出る天馬。
百枝天馬。以外にも押しの強いところがある。
後に十二神将の一人から。
『あいつ意外と強引って言うか、押し強いよね。地味な癖してさ』(原作小説『東京レイヴンズ』八巻。五十八ページより)
などと言われるのは伊達じゃない。
刀の置いてある部屋に天馬を案内した麗香は少し青ざめた顔で飾ってある骨喰を手にとった。
ずしりと重く、そして大きい。
時代劇などで目にする役者が振るう刀は撮影用の模造品なので、サイズも小さめに作られているが、本物の日本刀には鉄の質量と『武器』の迫力がある。
「これがそう。なんでも骨喰藤四郎ていう珍しい刀なんだって」
「へぇ…」
今のところ霊気も瘴気も感じられない。だが刀剣タイプの呪具の中には鞘をかぶせることで霊気を隠し、穏形するタイプの物も存在することを天馬は知っている。
このあたりは両親の仕事の影響だろう。今は亡き天馬の両親は、陰陽庁以外で式符の販売で成功した唯一の会社。ウィッチクラフト社で技術者として働いていたのだ。
呪具や人造式についての知識にはそれなりの自信がある。
麗香から刀を受け取った天馬は、恐る恐る鞘から引き抜こうとするが。
なか
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