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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
骨喰
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で天馬たちを頼む」
「え!? ちょ、ま、待ってよ。あたしも――」

 京子の返事を聞かず中庭へ出て対峙する。
 秋芳は若武者を、骨喰の姿を視た。
 五行は金気に偏り、霊気自体もかなりあるが、自分ほどではない。
 これならば力技で一気に禁じてしまえそうだ。
 禁妖則不能変。
 あやかしを禁ずれば、すなわち変わることあたわず。
 器物や動植物を出自とする霊的存在を強引に元の姿へと戻す術で若武者の姿を消し去り無力化するか。
 禁刀則不能傷。
 刀を禁ずれば、すなわち傷つけることあたわず。
 いっさいの攻撃を無効化してから祓うのもいい。
 秋芳がそんな考えを巡らしていると、若武者は手にした刀の刀身を返し、自らに刃を向けた構えをした。

「霊剣は決断をあらわしたまう。至剛無欲にかたどりて、内に私欲奸侫の心敵を滅し、外に邪悪暴逆の賊徒を誅す。破ァァァッッッ!」

 若武者の霊的防御力が爆発的に膨れ上がった。

(今のは新当流の冤剣(おんけん)か!)
 
 新当流。
 戦国時代の剣豪、塚原卜伝が鹿島神宮の祭神タケミカヅチより神託を受け、授かったという剣術流派。卜伝は各地を回り、足利義輝、北畠具教、武田信玄、山本勘助といった武将らに、その教えを説いたと伝わる。
 その新当流に冤剣という所作がある。
 構えた状態から刀を胸の前に立て、右手首を返して刃を自分の方に向ける動作をすることで、自己の内にある穢れを斬るという、一種の瞑想法。
 これもまた呪術である。
 武術とはもっとも実践的な魔術なのだ。

「これでおぬしが使う妖術は効かんぞ」
「それはどうかな? 我祈願、??太子元帥。求借火尖槍。急急如律令!」
 素早く導引を結び、口訣を唱える。秋芳の手に穂先が炎につつまれた槍。火尖槍が現れた。
 どんなに抵抗力を上げたところで術そのものは無効化はできない。確実にダメージを入れる方法で戦うことにした。

「槍の間合いならば刀に勝てると思ったか? 笑止!」

 骨喰が一閃する。
 だが遠い。
 一歩踏み込めば攻撃可能な距離を一足一刀と言うが、それに五歩近く足りない間合い。
 にもかかわらず骨喰は攻撃し、秋芳は避けた。
 後ろにあった石燈籠が断ち斬られる。
 斬撃を飛ばしたのではない。斬撃を延ばしたのだ。
 秋芳の見鬼には、はっきりと霊気の刃の軌跡が映った。
 骨喰はもともと薙刀を焼き直した異色の刀。その間合いも薙刀に等しい。

(昔のジャンプにこんな武器使う奴がいたよな。幻想虎徹だっけ?)

 こんな時でも秋芳にはそのようなことを考える余裕があった。
 秋芳は相手が強ければ強いほど、危機的状況であればそうであるほど、心に余裕を持つようつとめている。
 余裕がなければ焦りが生じ、かえって判断を
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