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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
骨喰
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を前に出す。
春虎は怪訝そうな顔をしつつ、それに応じて同じように掌を出して、タッチするように重ねた。
「うお!?」
強風に煽られたかのように体が後ろに飛ばされそうになる感覚。だが手と手はピッタリと重なったまま離れそうにない。
「これはな春虎。腕力を使わず気で、霊力だけでおまえのことを押しているんだ」
「て、手が離れないのはなんでだ?」
「おまえが無意識に霊力で抵抗しているからだ。押された瞬間にふんばってるようなものだな。おっと力を抜くなよ。今、この状態は周囲に無駄に拡散しまくりなおまえの霊力が掌という一点に集まっている『無駄のない』状態なんだ」
「…………」
「この状態に慣れたら掌の一点を全身に広げる。そうすれば霊力は漏れずに安定する」
春虎は土御門の血筋ゆえか、呪力のもととなる霊力は並の人間よりずっと強い。
しかし霊力を呪力としてあやつる力が大ざっぱで、馬力はあっても空回りしてしまい術にならない。
それにくわえて呪術の知識もあまりなく、理論面に対する理解が乏しいのも壊滅的だ。
経絡や丹田。サハスラーラといった内功用語を使うと混乱するだけだろうと考え、こうして体に直接覚えさせることにした。
しばらくそうした後で掌を離す。
「今の感覚を忘れないように」
「ああ、なんかつかめそうだぜ。ありがとな秋芳」
「どういたしまして。またなにかあれば俺の知っていることを教えるよ。…あ、そういえばちょっと聞きたいんだが」
「え? なに?」
「夏目ってあれ、女の子だよな? なんで男のなりなんかしてるんだ」
「――ッ!!」
鳩が豆鉄砲を、はぐれメタルが急所にどくばりを喰らったような顔になる。
「ち、な、に、お、いっ、ちがうだろ! なに言ってんだよおい。たしかにあいつは小柄で線も細くて髪も長いし、昔っから女の子にまちがわれやすくて、でもほらあれだ。ちゃんと陽の気出てんだろ? 男だよ男! 完全に男。なっ?」
汗をかきかき、しどろもどろになる春虎。すでにその態度が質問の答えを如実にあらわしていた。
(嘘のつけないやつだな。しかし思った通り、こりゃあクロだ。しかも春虎は夏目が女だということを知っている。だがなんでそんなことをするんだ? なにかのまじないだろうか……)
「――だから、夏目に言ったら怒るぞ。あいつ自分が女の子に見えること気にしてるからさ」
「……ああ、肝に銘じておこう。それじゃあ、そろそろ約束の時間だから俺は行くよ」
土御門春虎は呪捜官にはむいてないな。そんなことを考えながら秋芳は教室を後にした。
陰陽塾の屋上は食堂のある最上階から階段で上がることができる。
特別な祭壇があるため、普段は生徒の立ち入りは禁止されているが、その一つ手前。食堂
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