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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
骨喰
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だって……」
「うん、それにあの呪捜官だって『視た』はずなのに、なんにも言わなかった」
試しにもう一度抜いて見たが、やはり異常はない。ただの刀だ。
「僕たちよりもっと見鬼の上手い人に視てもらおう」
「え? でも呪捜官でもわからなかったのよ。そんな人、いるの?」
「うん。いるじゃない、僕たちと同じクラスに」
賀茂の姓を持った転校生の姿を思い浮かべ、天馬はそう答えた。
遠くからかすかに聞こえる街の喧騒。誰もいない廊下。
(曜日がちがうだけでこうも雰囲気が変わるとは、学校ってのは不思議な所だ)
京子の自主練習につき合うため、日曜の陰陽塾に来た秋芳は、いつもと趣のちがう校内をぶらついていた。
早めに家から出たため、約束の時間にはまだ余裕がある。
なんとなく自分のクラスに足をむけると、そこで思いがけない人物と出会った。
「お、おはよ」
「春虎じゃないか。日曜なのにどうしたんだ?」
「個人補習」
「ああ……」
大陰陽師、安倍晴明の末裔。かつての陰陽道宗家、土御門の分家に生まれるも、生まれつき見鬼の才のなかった春虎はこの夏まで呪術とは無縁の生活をしてきた。そのため陰陽塾の授業について来られず、赤点補習の常連だ。
春虎の成績がお粗末なのは、今に始まったことではない。
「夏目はどうした? いつもみたく『式神の勉強を見るのも主の役目だ』て、一緒じゃないのか?」
「いや、そりゃあ、おれはあいつの式神だけどさ。だからって四六時中いつも一緒ってわけでもないよ。そう言うそっちの式神は一緒じゃないのか?」
秋芳の式神。化け狸の笑狸のことだ。
「今日は天気が良いから部屋でゲームやって、漫画読んで、アニメ見てるってよ」
「くっ、なんてうらやましい三千院ナギ生活だ」
「あんな怠惰な生活をうらやましがっちゃいかん」
「つうか、日曜なのにどうしたんだよ。まさかおれと同じ補習ってわけじゃないだろ?」
「ああ、これからちょいと人の自主練につき合うんだ」
「わざわざ日曜なのに物好きだなぁ」
「まぁ、半分逢い引きみたいなものだからな」
「え? 今なんて言ったの?」
「いや、なんでもない。それよりもまだ時間があるから、わからないところがあったら教えるぞ」
「そうだな……、全部。かな……」
「またそれか」
「だってほんとにわからねぇんだよ! これでもどこがわからないのかが、わかるようになったんだぜ」
「夏目が聞いたらあきれるだろうが、俺はその進歩を評価してやろう。ゼロとマイナスじゃ、全然ちがうからな。で、わからない個所を適当に言ってみろ」
「五行の術がわからん! 相生と相剋だっけ? あれの順番がいまいちわかりにくい」
「文章を丸暗記するんじゃなくてイメージしながら
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