第四十一話
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るときと同じくらいに真剣な表情でこちらを睨み返してきた。
「…………アイツはな、学校に通ったことが無いんだ。」
「……………………。」
だいたい予想通りの説明が返ってきた。艦娘になる前の環境が酷かったのだろうか、と考えていた。
「アイツはな、人間じゃねぇんだ。」
だから、そのあとの木曾の言葉の意味が理解できなかった。
「…………は?ちょ、え?どう言うことだよおい!?」
俺は周りからみても明らかなほど動揺した。
人間じゃない。
それは俺たちも今では人間ではない。しかし、木曾の様子を見るに、今の話をしている訳では無さそうだ。
木曾はポツリポツリと話し始めた。
「アイツはな、今から半年近く前……だいたい、お前がここに来る二ヶ月前位に見つけられたんだ。」
「海の上で、な。」
「大半の艦娘は、普通の人間の中に適正を持ってる奴がなるんだがな。たまに、今まで居なかった艦種の奴が現れることがあるんだ。そいつらはたいてい海の上で寝転んでたりしてるな。春雨もそうだった。」
「そいつらは見た目相当の精神年齢してて、普通に言葉も話す。だけど、それより前の記憶は全くない。取り合えず、見付けた鎮守府に連れてって、そこの一員にする。」
「俺達はそんな新しい艦種である艦娘達を、『始祖』って呼んでる。」
木曾は最後にそう言って、口を閉じた。
「……………………。」
俺は頭の中で、少し前に鳳翔さんに言われてたことを思い出した。
『あなたは『始祖の木曾』の血を引いてる…………。だから、絶対に後悔しないこと、受け入れること、そして、抗うこと。』
あぁ、そうか。
俺のお袋も、人間じゃあ無かったのか。
……………………。
「だからどうした。」
俺はそう言った。木曾は大きく目を見開いていた。
「例えば春雨。お前はあれが人間に見えないのか?俺には少し内気な女子高生位にしか見えねぇな。」
「それに、鳳翔さんから聞いたけど、俺のお袋も『始祖』らしいしな。俺も半分は人間じゃねぇ。人のことなんて言えねぇし、言う気もねぇ。」
「んなこと気にしてる暇があったら、この戦争を早く終わらせて、アイツを学校に通わせる事でも考えた方がいいわ。」
俺はそう言うと、ポカンとしている木曾を置いて屋上から中に入った。
…………なぜか知らないが、木曾に少しイラッと来てしまった
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