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FIVE DAY'S ~たった5日間の家族~
希望と影

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次の日、仕事に身が入らずぼんやりしていた。

昨日の事が、頭から離れなかった。

そして、ずっと忘れていた…振りをしていた、その思いは強くなった。

“実の親に、会いたい”

会ってはいけないと、思っていた。

私を捨てたのだから、会いに行っても…無駄だと。

でも、それでもいい。

それでもいいから

一目だけでもいいから

私の…本当の、生みの親に会いたい。

学校を終えると、真っ直ぐにある場所へ向かった。

私が養子に行くまで暮らしていた施設『hope(希望)』。

親に捨てられたり、ネグレクト(育児放棄)、虐待…様々な理由で子供達が引き取られる、所謂…孤児院のようでもある施設。

忙しくて行く暇が無かったこともあり、数年ぶりに顔を出すからか少し恥ずかしい。

hopeのドアを開けると、偶然にも私がお世話になった施設長(女性)が居た。

施設長は私だと気づくと大層驚き、慌てて駆け寄って来てくれた。

そして、頬で顔を挟まれ、苦しいほどに抱きしめられて。

気づけば、施設長は涙を拭っていた。

「ああ、ミリアム…久しぶりね、元気そうで何よりよ」

そう話しながら、私を椅子に座らせて、紅茶を淹れてくれた。

紅茶を私に渡すと、施設長先生は椅子に腰掛けた。

「施設長先生こそ、お元気そうで何よりだわ」

私がそう笑えば、施設長先生も笑って。

「それでミリアム、何か用事なの?」

施設長先生の言葉に、私は笑って頷いた。

「ええ、私も良い年になったから…そろそろ、生みの親の事を…知りたいと思ったのよ」

その言葉を聞いた施設長先生は表情を曇らせた。

「申し訳ないけれど…私からは、何も言えないわ」

施設長先生はそう言うと、そそくさと用事を思い出したと立ち去った。

私は何も言えず…施設を後にした。

そして帰宅し、ベッドに倒れこんで頭を抱えた。
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