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衛宮士郎の新たなる道
第9話 偽りの生命に断罪を
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すぐ自害せよ!」
 「速く我らの命令を聞かぬか!」
 「・・・・・・・・・」

 正直話にならな過ぎて嘆息するクラウディオ。
 そのクラウディオの反応すらも彼らにとっては侮辱同然なのか、今も喚き散らしている。
 さらに、退路を塞ぐように後ろの方からも源聖大和国の構成員がわらわらと現れた。
 だがおかしな事に九鬼従者謡の者達が未だに駆けつけに来ない。
 恐らく彼らに足止めを喰らっていると言った所か。
 いよいよ対話は無駄と判断したクラウディオが構えようとした所で、後部座席から義経と弁慶が降りて来た。

 「漸く現れたか、日本が誇る英雄の名をかたる畜生ども!」
 「っ・・・!」
 「・・・・・・」

 義経達は事前にこの様な偏見的な意見を持った者達も世の中に入る、と言う事を説明を受けていた。
 だからという訳ではないが、世の中の物事をある程度理解している弁慶は源聖大和国の構成員からの罵倒を幾ら受けても素知らぬ顔で流している。
 寧ろ彼女の心配は、紋白と共に自分も打って出ると言う事を聞かなかった(紋白には残ってもらった)義経だ。
 横目に義経を見ると、彼女は矢張りどうしても眼を向けられずにいる。
 義経はまだまだ人の憎悪や悪意に対して耐性も無く、弁慶の様に受け流せない。

 「義経、無理しないで車内に戻った方が良いんじゃない?」
 「そんな事出来ない。弁慶が矢面に立っているのに義経だけが後ろにいるなんて絶対に嫌だ!」
 (ヤレヤレ)

 昔から一度言い出したら聞かない主の態度に、諦めつつも心の何処かでその選択を嬉しく思う弁慶。
 義経と共に錫杖を源聖大和国の構成員達に向ける。

 「畜生風情が何のつもりだッ!」
 「我らに矛を向けるなど思い上がるのも大概にせぬか!」
 「大概にするのはアンタ達でしょ?私達を畜生だと仮定して、そんな言葉も解せない畜生に怒鳴り散らすなんて駄々を捏ねた子供みたい――――いや、それ以下で無様ったらないの自覚できてる?」

 ワザとらしく肩を竦めて呆れるように言い放った弁慶の言葉は、彼らの気を頂点にまで逆撫でするのには十分過ぎた。

 『「『「『「『「『「畜生風情ぇええがぁあああああッッッ!!!』」』」』」』」』」

 彼らは全員腰に携えていた刀を鞘から抜き放ち、九鬼の一同を斬り殺そうと駆けだして来るが、直に全員動けなくなった。

 「何d」

 さらに自らの腕で口を塞ぐようにして喋れなくなる。勿論自分達で態とその体勢を取った訳では無い。
 答えはクラウディオの鋼糸による結界に嵌り、彼の指先一つの動きで全員拘束されて喋れなくされたのだ。

 「義経様、弁慶様、この通り拘束したので、車内にお戻りください」
 「だけど!」
 「ご安心を残りも直に済ませます
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