第9話 偽りの生命に断罪を
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守派の重鎮達である。
とは言っても今の日本は国としても多くの企業としても外国とは切っても切れない関係のある国際色の強い国であり、日本だけの風習にしがみついている超保守派の重鎮達とはいわば行き遅れである。
つまり、今の日本にとってそれほど重要な――――特別な存在でも地位を築いている訳でもない、ある程度の大金を持った、そこらの資産家と変わらない程度である。
それでも彼らは自分達が特別な存在だと信じて疑わずにおり、そんな自分達が国の中心的位置やそれらを操る位置に置かれていない事を理不尽であり間違った在り方だと確信している。
その様な偏見と驕りの塊たる超保守派の重鎮達から、生まれた時から指導・教育されて来た者達でほぼ占めているのが源聖大和国なのだ。
そんな彼らが九鬼に一体何の用かと言えば、彼らの主張の間違った日本の在り方の原因の一つが技術革新からの最新技術であり、最新技術を多くを占めている企業の一つである九鬼財閥が彼らのターゲットとなり、特に英雄のクローン技術が彼らの癇に障ったのが理由だ。
試験管ベイビーやヒトクローンは、人の形をしただけの人間以下の畜生であり、今すぐその技術の放棄と消滅及び英雄を語らせている畜生たちの身柄を自分達に引き渡し処分させろと言う命令を彼らは九鬼財閥に送っていた。
要請では無く命令と言う所が、彼らの極まった愚かな思考を如実に表していると言えるだろう。
勿論そんなものに耳を傾ける筈も無く、下らんと一蹴して無視した結果がこれだった。
まさかこんなにも武力で訴えて来るとはと、色んな意味で予想外だったと言うのがクラウディオの本音である。
彼らに武力など無いと言うのが九鬼の調査結果である。
事実、此方の進路である道路を塞ぐように整列している黒い和服の者達の足運びや所作を見る限り、一般人と変わらない――――つまり雑魚である。
いや、彼らの後方へと目をやると、この場の指揮官と思われる中年の男を守る様に取り囲む黒い和服に虚無僧笠で素顔を隠す8人と映画村などで借りれるような大名の着物に虚無僧笠でこれまた素顔を隠す1人の合計9人は少しは出来そうだが、それでも九鬼従者部隊の最下位から数えた方が早いくらいの番付よりも下くらいの腕のほどしか感じられなかった。
それ故、クラウディオが取った行動は、
「すみません御三方。手早く済ませますので、如何か暫しお待ちを」
車を止めて運転席から降りるクラウディオ。
恭しくお辞儀をしてから当然に言い放つ。
「無為な怪我をしたくなければ、如何かお退きください」
「ふざけるな貴様!」
「我らの方にこそ正義があると言うのに!」
「しかもこの至高な大和の国に我が物顔で足を踏み入れて何様のつもりだ!」
「今すぐこの国から出ていけ!」
「或いは今
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