少し間に
[1/10]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「う・・・・」
目蓋をピクピクと震わせながら目を開けると、テントの中にいた。耳元で水の跳ねる音に釣られて目を向けると、ハルがそこに立っていて濡れタオルを絞っていた。
「は、目を覚ましたのね。ダルフ」
と言ってハルはさっき絞ったタオルを落とし、2、3歩後退り両手で驚いて開いた口を隠す。ダルフは口を開いて何かをつぶやこうとしたが、ハルは人を呼びに走って外へと行ってしまった。ダルフは声出でなくハルを呼び止めることが出来なく、また意識を失い眠りにつく。
ダルフが次に目を覚ましたのは、その日の夜だった。辺りは暗く吊るされたロウソクの火が微かに周りを照らしていたのである。ダルフは起き上がると、ハルが疲れたのか床で座り込みベットの上でうつ伏せに寝ていた。ダルフは自分にかけられていた掛け布団をハルにかけて、外へと出て行く。
草原のど真ん中にキャンプを貼っているので、星空が良く見える。綺麗に無数の星が散りばめられている。あの奥には果てしなくどこまでも広がる外の世界、またの名を宇宙があるという。そしてあのきらめく星は今から何万と言う光の年数を越えて光っている。と、どこかの宣教師が言っていたのを思い出した。
「お、やっと目を覚ましたか」
と星空を眺めていると、後ろからシロンが声をかけてきた、左頬に傷跡を残して。
「お前、その傷」
笑いながらシロンは言う。
「お前と一緒でヤられた。この傷はアニマの治癒力では治らないらしい」
アニマは基本傷跡を残さず治癒を行うのだが、どうやらあの暗騎の剣はそれを阻む特殊な素材で出来ているらしい。
アニマにも能力によってバラバラの力がある。それと同じように武器や道具にもそれぞれ付加価値があるのだ。
例えばハルの弾倉やジェスのアクトロウィップもそうだ。アニマを伝達できる特殊な素材か何かが含まれている。まだ解析はされていないが、解析された暁には世界は大きく変わるとも言われている。また別の仮説では、誰もが同じ素材で応用ができているのでは無く人によってばらばらに素材との相性があるのではないかという人もいる。謎多き世界だ。
「まさかお互い様にヤられるとは、お前の戦ったあの軍人、強いのか」
リバロか、油断して勝負を急がせてしまった。もう少しじっくりと戦っておけば良かったものの、大技を使って終わらせたのが敗因。あそこから光弾の拡散しながらしかも連射してくるとは思わなかった。
「もしシロン。お前が戦うなら腰に備え付けてある剣には要注意だぞ」
「剣か、でも暗騎よりは安心だろ」
「いや、少佐とスットマンは言っていた。それなりの
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ