アバの賊
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である。」
とガバと名乗る白髪をして、白いヒゲの老人は部屋の出入り口から一番奥の位置に敷かれている敷物に腰を下ろし座りながら喋っている。
それに対し誘導されて、出入り口で履物を脱いでから少し行ったところで敷かれるものも無く座っている。
「いいえ、ところでアバの賊がこの村を荒らされた原因になっていると聞いたのですが」
とダルフが先ほど男から聞いたことを村長に聞き返した。
「はい、ほとんどその通りです。」
「ほとんどとは・・・」
「はい、そうですねこの村がこうなった流れを話します。
このララハ村は前までは他の村とも変わりない村でした。しかし数日前にスットマンという中央の人と軍の人たちが来て2、3日この村に滞在して行ったのです。そして彼らが立ち去るその日スットマンから「この村から自治軍を撤退させます。」と言ってきたのです。」
とガバは自分より少し前を眺めながら喋る。
そこにこれって例のスットマンの・・・と軽くこちらを見ながらハルが小さな声で言ってきた。
ダルフやシロンもそれを聞き頷く。
「我々もそれでは困ると反対しましたが、
スットマンは「この村は森の中の偏狭な地にある足を運ぶ人もモンスターを狩る酔狂な人間しか来ない商売も税収も成り立たない、なら自治軍を置いておくのはお金の無駄ってことですよね、ガバ村長。それに村なら森で取れる薬草や毛皮で売買すれば成り立つでしょ。村の安全もモンスターを狩るハンターに守って貰えればいいでしょ。ねぇ矛盾は生じないから軍も必要ないか撤収のですよ。ガ・バ・村・長」
と言って反論すら言い返す時間すら無くその場で印を押されました。軍の人たちも最初は戸惑いましたが、だんだんと時間が経つに連れてみんな撤退していきました。」
「なんてやつなの、この話で本当にムカつく奴ね。スットマン」
とハルは怒り握りこぶしに物凄い力で握っていた。
「・・・すこしおかしくねえか」
とシロンが前のめりに問いかけた。
「なによ」
とすぐさまにシロンの言葉にハルが反応して、シロンを睨んだ。
「確かにスットマンのやっていることは横暴だと思います。しかし先ほどこの村はアバの賊が原因で荒らされたと聞きましたが・・・」
とシロンが聞きなおす。
そこには俺も同意見だ。同じタイミングでハルも「ハッ」と気が付きガバ村長の方へと向きを直した。
ガバ村長もこちらをみて喋り始めた。
「はい、確かに。アバの賊が関係してるのはスットマンが去ってから2,3日後のことでした。
彼らはこの村に軍がいないことを承知で、略奪や破壊をしてきました。それがアバの賊です。彼らは曲刀や鞭や槍にピストルや弓矢など持ち20人くらいの集団でした。中でもジェスという細めのボサボサの黒髪で黄色のダボダボの服の男はとても強くて
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