アバの賊
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。
だいぶの高さを登ってきたこと、あたりの静けさに不安を感じている。
「やはり、人がいないね」
周りを見渡して、ハルは頭を下げる
そして腰を下ろして座りかかろうとした時に
「ハル、まだ座るのはまだ早い」
と座りかかろうとするハルを、ダルフが手を伸ばして止める。
「えぇ、なに」
「まだここはテラスだ、大広間がある。それにまだ上にも小さい建物がある」
と上の方にも指をさす。
「おいおい、まだ上に行くのかよ。もうあそこに行ったって何もないと思うぞ」
とシロンが両手を広げて体で制止するかのように訴える。
「ここはもう廃村したんだ。住民は移民したか、オーガオールの1件で全滅したか、その両方だ。」
と付け足して。
「いや、まだ・・・」
ダルフが喋ろうとしたその時だった。突如風を切る音がした。すぐさま反応して避けるようとするが、矢は3人の位置から少し外れてそして手すりの柱にポッンと音を出して刺さった。
飛んできた先を見ると大人の男性がいて、こちらに気づいたのか驚き声を出し。
「しまった」と言いながらこの場をあとに逃げて行った。
男はそのまま通路を走り曲がり角の隅に身を細めた。
「・・・ハァハァ、くそもう少しで追い出せるかと思ったのに」
「追い出せるってどういうことだ」
とダルフが顔を前のめりに出しながら言った。
「ぎゃあああああ、お許し下さい」
と大きなわめき声とともに即座に土下座をしだす。
「いや、おいおい」
とダルフが肩をさするが
「すいません、すいません。家族だけはお助けを」
と泣き喚きながら、謝るばかりで頭を上げようとはしない。
「矢が飛んできたことには驚いたけどよ、べつに今日ここに来た旅人だしそんなに謝られても困るのだが」
と慰めるようにすると。
男が顔をあげて「たびびと」と訪ねてきた。
ダルフは疑問な顔をしたが「お、おう。そうだけど」と応える。
「それは大変申し訳ございませんでした。わしゃてっきりアバの賊かと思い、一泡吹かせてやろうと」
とまた土下座をし直しながら、謝りだした。
「アバの賊ってなんだ」と聞き出す
「それはここがここまで荒れた原因なんです」と男は答えた。
「なに・・・わかった。まずはさっきの二人と合流をしたい。それから他の住民とも合流してから話を聞こう」
とダルフは言った。ここで二人で話していてもまた村の人に襲われないって保証もない、それは二人と合流した後でも同じだった。のでまずは村の人たちとの誤解を解いてから事情を聞くことにした。
「えぇーこれは旅のものとは知らずに村の者が無礼を働いてしまい、申し訳ない。私はこのララハ村の村長であるガバ
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