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とある3年4組の卑怯者
51 大阪
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にまた呼んでくれと言われて困惑した事があった。リリィも母親のお気に入りのメーカーのケーキを藤木と花輪に御馳走し、翌日来てくれた礼をしたところ、小杉に誘わなかったことを不満に思われ次は自分にも食わせろと強迫された事がある。
「小杉ィ!アンタバカァ?!」
 まる子が小杉を軽蔑して言った。
「アタシ達はねえ、たこ焼きとかお好み焼きを食べに大阪行くんじゃないんだよ!城ヶ崎さんのピアノの応援するために大阪行くんだよ!アンタは城ヶ崎さんを応援する気ないの?!」
「ああ、ないぞ!!俺は食うためだけに大阪に行くんだ!!」
 小杉は図々しく言った。
「小杉・・・」
 城ヶ崎が口を開いた。
「悪いけどあんたは来ないで頂戴・・・。行きたきゃ一人で自分でお金出して行きなさいよっ!!」
 城ヶ崎に怒られた小杉が逆ギレする。
「ああ、?!いいじゃねえか!!行かせろよ!!」
 小杉と城ヶ崎はお互い睨みあった。藤木は小杉に怒りを見る。
「小杉君!」
「何だよ!?」
「そんなに大阪行きたいならここで城ヶ崎さんの応援をすると誓えよ!食べる為だけなんてそんなの城ヶ崎さんにも宿泊費を負担してくれる花輪クンにも悪すぎるぞ!!」
「うるせえなあ!!卑怯な藤木に言われたくねえよ!!」
「じゃあ、諦めていつかお父さんとお母さんに連れてって貰えよ!!今の君の食欲は僕の卑怯よりずっと迷惑だぞ!!」
 藤木は小杉に対抗した。その時、まる子が加勢する。
「そうだよ、アンタは今皆に迷惑かけてるよ!!」
 笹山も加勢に入る。
「そうよ、小杉君は食べること以外何もできないの!?」
(笹山さんも僕の味方をしてくれている・・・!)
 藤木は笹山に味方になって貰えてなにかと嬉しくなった。
「う・・・、わかったよ、応援してやるよ!」
 小杉は約束させられて仕方ないという表情をしていた。なお、野口は小杉の図々しさが面白かったのか気付かれずに笑っていた。
「クックックック・・・」
 その直後、1限が始まった。

 1限終了後、リリィが藤木に話しかけた。
「藤木君、さっきの態度カッコ良かったわよ」
「え?何がだい?」
「。小杉君を抑えようとしていたじゃない」
「あ、うん・・・、ただ僕はこのまま見ているだけじゃ、卑怯だと思ったんだ・・・」
 藤木はあの時、ただ小杉を軽蔑しても思ったことを口にしないのでは彼を止められないと思っていた。そしてリリィや笹山にふさわしい人になるために卑怯を治したいという気持ちもあったからであった。どちらかを選ばなければならないという問題もあるが。
「一緒に城ヶ崎さん、応援しようね!」
「う、うん!!」

 城ヶ崎はコンクール2日前に先に出発した。そのため、金曜と土曜の授業は公欠という形で欠席した。藤木達も土曜の午後、花輪家に集まり、ヒデ
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