51 大阪
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ある朝、入江小学校の体育館では全校生徒の朝礼を行っていた。そこで藤木のクラスにいる城ヶ崎が校長から表彰されていた。静岡県のピアノコンクールで金賞を取り、全国ピアノコンクールへの出場の権利を得たのだった。
朝礼が終わり、生徒たちは次々と各クラスの教室へと戻るところだった。城ヶ崎と笹山は教室へ向かいながら話していた。
「城ヶ崎さん、全国ピアノコンクールの場所って確か大阪だったよね?」
「そうよ、パパの車で行くの。よかったら応援に来てくれるかしら?」
「いいわね。私も行くわ!」
「フフッ、そうだっ!花輪クンっ!」
城ヶ崎は花輪を呼んだ。
「何だい、baby?」
「花輪クン、再来週の日曜なんだけど、大阪で行われる全国ピアノコンクールに応援に来てくれる?」
「ふうん、再来週の日曜ね・・・。ちょっとschedule確認するから待ってておくれ」
花輪はそう言って少し急いで4組の教室へと戻った。
教室へ戻ってスケジュール帳を見て花輪は城ヶ崎の元へ行き、返答する。
「大丈夫だよ、是非君の演奏を聴かせてもらうよ」
「ありがとう、花輪クンっ!そうだ、笹山さんも行くから是非ヒデじいの車で送ってもらえるかしら?」
「心配ないよ、ヒデじいにmicro busを出してもらうよ」
「それはいいわねっ!」
「城ヶ崎さん、他の人も誘おうよ!」
笹山が提案した。
「そうね、応援に来てくれる人が多いならもっと頑張りたくなるわねっ!誰を誘おうか?」
城ヶ崎と笹山は考えたところ、まず笹山が非常に優秀な男子、長山治の姿を見つけた。
「あ、長山君!」
「何だい?」
「城ヶ崎さんの全国ピアノコンクールの応援に行かない?花輪クンの所のヒデじいがバスを出してくれるから交通費は問題ないわ」
「そうだね・・・。宿泊費はどうだい?」
「あ・・・、花輪クン、どうしよう?」
「大丈夫さ、僕の資金で支払うよ」
「ありがとう、花輪クン!」
「それなら、是非聴きたいな」
「ありがとう!」
まず長山が行くことに決まった。そして城ヶ崎がまる子とたまえ、そしてリリィの姿を見て三人に声をかける。
「さくらさん、穂波さん、リリィさん!」
「城ヶ崎さん、どうしたの?」
「再来週の大阪のピアノコンクールに聴きに行かない?交通費はヒデじいがマイクロバスを出してくれるし、ホテル代も花輪クンが出してくれるわ」
「うわあ〜、行きたいねえ、ね?たまちゃん、リリィ?」
「うん!」
「私も聞きたくて楽しみだわ」
「それじゃあ、決定ねっ!」
リリィは城ヶ崎のピアノを楽しみにするとともに花輪と共に大阪に行くことに胸をときめかせていた。その時、どこからか野口も現れた。
「私も行っていいかな・・・?」
「野口さん、ええ、いいわよっ!」
城ヶ崎は承諾した。
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