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鋼の錬金術師 貴方を守りたい――12人の巫女と1人の神――
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ビングに入ると父さんがいつになく真剣な顔で、受話器をもって誰かと話していた。
父「そうですか……。私の方も……はい、そうですね。
…アリサは一体どこに……?」
……アリサ?
途切れ途切れに聞こえてくる父さんと誰かの会話に、知らない女の人の名前が出てきた。
誰……?アリサって誰だよ……父さん……。
その名を聞いた時、私の中に何か黒い物が入って来たことを、私は感じた………。
〜夢〜
ガキ大将「なぁーなんでお前には母ちゃんが居ないんだよー?」
アルト「知らない……私には……生まれた時からいないんだ!!」
強気な女の子「えー?そんなのおかしいわ。
私の妹はお母さんから生まれてきたもの。」
弱気な男の子「そ、そうだ!
ボクのママも言ってたぞ!!」
知らない……私は何も知らない!!
『タタタタタタタタタッ』
子供達「あ、待てぇーーーー!!!」
アルト「ウッ…グス……ウウ……」
私はただ、泣きながら走った。
どうして?みんなにはお母さんが居るのにどうして?私には居ないの?
なんで、居ないの?
なんで私がこんな寂しい思いをしないといけないの!!
胸の中で感じる、怒りと悲しみを抱えながらただひたすら走り続けた……。
『ガチャ』
アルト「ただいま……。」
父「ん?ああ、お帰りアルト。
ご飯はそこに置いてあるから、好きな時に食べなさい。」
アルト「うん……。」
『ガサガサ』
何故かお父さんが何処かに出かける身支度をしている。
また、何処か遠くに行っちゃうのかな?
私をこんな場所において一人何処かに行っちゃうのかな?
そんな疑問を抱えながらも私はお父さんにいつ帰ってくるのかを聞いた。
アルト「何時、帰ってくるの?」
父「う〜ん。出来るだけ早く帰ってこようと思ってはいるが、何時になるかは分からないな……。
すまない、アルト。いつも寂しい思いをさせてしまって……。」
そういいながらお父さんは私の頭をなでる。
アルト「そんな事ないよ。
私はお父さんが居るだけでいいんだから。」
これは嘘。
本当はずっと傍にいてほしいし、意味の分からない調べ物は止めて私を見てほしい……。
でも、そんなことを言ったらまたお父さんを困らせてしまう。
だから、言えない。
父「じゃあ、そろそろ行ってくるな。
お利口さんに待ってるんだよ。」
アルト「うん、分かってるよ!
いってらっしゃい、お父さん……『ガチャ』
今日も笑顔でお父さんを見送る……。
本当の顔と気持は嘘の仮面で隠して――
〜夢〜終わり+
小鳥「ピヨ?ピヨヨヨヨォ〜」
アルト「ふぁ〜。もうあさぁ〜?」
今日も流れる、何も変わらい、毎日
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