悪魔のアグリーメント
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幾重もの偶然と血の運命が重なったせいで誕生した、高町なのはの暗黒面。ただ、人格を得たといっても身体を乗っ取るほどの力はなく、高町なのはの魂の裏で潜み続けるしかなかった。……彼女がニブルヘイムで撃墜するまでは」
「ニブルヘイム……」
「スカルフェイスに囚われてから、リトルクイーンは主人格である高町なのはの魂を眠っている内に砕いては外に捨てていき、着々と肉体の掌握を進めていった。そして髑髏事件で檻から解放された頃には、リトルクイーンは高町なのはの肉体を完全に掌握していた。そこからは周知のとおり、マキナ・ソレノイドの心臓を奪い、力を得て肉体を再生しようと画策していった、とアウターヘブン社は考えていた。そして今、彼女がシャロンを狙ったことで、その推測は正しいことが証明されたんだ」
なるほど……どこかで誰かがイド化している、なんて言ってたみたいだが、どうやらそれは的を射ていたようだ。
話を簡単にまとめると、マキナを殺したのはリトルクイーンだが、リトルクイーンも高町なのはであるということだ。魂が拡散している以上、元の精神を取り戻す可能性は無いにも等しい。拡散した傍から誰かが集めでもしていない限りは……。
「リトルクイーンが、なのはのもう一つの側面……そんな……」
「本当は会うつもりは無かった。会えばもう止められなくなるから。なのに会ってしまった。だから俺は、マキナの仇を討たなければならない!」
「ハッ!? しまっ―――」
パリンッ!
落ち込んで集中が乱れたことでユーノのプロテクションが砕け散る音が響き、彼ごと高町なのはを潰そうとケイオスは一気に踏み込む。だが直後、
「ワタクシを忘れては困りますよ……!」
いきなりケイオスとユーノが何の兆候もなく吹き飛ばされ、天井に叩きつけられる。それをやったのは、ポリドリだった。
『あれは念動力! 念じるだけで物体などを自由に動かせる超能力です!』
「つまりサイコキネシスってこと……? イモータルにESPがいるなんて……うわっ!?」
ポリドリのサイコキネシスで私と高町なのはの身体が浮かび上がり、グンッと引き寄せられる。くっ……体力切れで動けない上に、サイコキネシスなんてどう抵抗すればいいのか全くわからない……!
「そっちも甘いですよ、レイ・アルオム!」
シオンが何かの魔法を発動した直後、大気が水に変化、ポリドリの上から滝の如く降り注いだ。
水の圧力で集中を乱したポリドリはサイコキネシスのコントロールを一時的に失い、私達の身体は引き寄せる時そのままの勢いで投げ出された。危うく壁に頭から突っ込むかと思ったその時、私はケイオスに、高町なのははユーノに受け止められた。……お姫様抱っこは流石に恥ずかしいけど……。
「ケ
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