悪魔のアグリーメント
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理性も本能も同時に「離れろ!」と叫んだ私の肉体は、意識が肉体に指示を出す前に左横へ飛んだ―――刹那!
「虎切!」
―――遅かった!?
ガキキキンッ!!
音さえも置き去りにした一閃が、数瞬前まで私の首があった場所を通過。背後にあったコンクリートの柱が、まるで豆腐のようにスパッと切断された。
あ、危なかった……イクスの展開したバトルドレスの防御が無ければ、それにほんのわずかでも反応が遅れていたら確実に首、上半身、下半身とでバラバラになった死体が転がる羽目になっていた。紙一重で凌げたから良いものの、剣の技量において彼女は私よりはるかに上だった。というか御神流奥義って言ってたけど、流派なんていつどこで身に着けたんだろう?
「凌いだか……! ……グフッ!」
「!?」
なぜか彼女は突然、血を吐いて膝をついた。とはいえ私もこの戦闘中に蓄積したダメージで起き上がる体力すらなくなり、この場には血まみれで傷だらけの女が二人倒れる状況となっていた。
「片方は肉体が損傷に耐え切れず崩壊し、もう片方は体力切れ……なんとも有耶無耶な決着ですね……」
そんな場所にいきなり謎の声が響き、何者かが転移してきた。そいつは緑色の肌で黒いフード付きコートを被っており、何というか……一言で言えば変装中の宇宙人っぽい外見だった。
「あなたは……!」
「お初にお目にかかります、ニダヴェリールの月下美人シャロン。ワタクシは銀河宇宙からの使者、ポリドリ」
『ポリドリ……まさか!?』
「新しいイモータル……!?」
「アナタ方から見ればワタクシは確かに新顔ですね。尤も、存在してきた時間だけで言えばヴァランシアの連中よりはるかに長いのですよ。さて、アナタ方をこれからワタクシの拠点へご招待します。心配せずとも、丁重にもてなしますよ」
「おっと早々に悪いけど、その招待は辞退させてもらうよ!」
少年の声と同時に緑色のチェーンバインドが私と少女の身体を縛り、唯一の出入り口である通路に引き寄せる。そこにいたのは、民族衣装のようなバリアジャケットをまとった童顔の少年……。
「やあ、久しぶりだね、シャロン。僕の事、覚えてるかい?」
「……ユーノ・スクライア?」
「そうだよ。ただ……この状況を見る限り、色々なことが悪化の一途をたどり過ぎな気がする。君となのはが戦うだなんて、どうしていつもこんなはずじゃないことばかり起こるんだ……」
息切れしている少女の方を見て鬱々とした表情を浮かべるユーノ。一方で少女は何も言わずにそっぽを向いており、言葉を返す気は無さそうだった。
「おやおや、4年前ジュエルシードを発掘したスクライアの少年ではありませんか。アナタとは少々縁がありましてね、一度お会いしたかったのですよ
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